巨人“育成の星”松井颯 プロ初勝利まで「長かった」と語った理由とは
今シーズン、松井投手は2軍で7試合(うち先発6試合)に登板し、150キロ超えのストレートと多彩な変化球で2勝1敗、防御率2.01の好成績を残し、先月15日に支配下登録されました。そして6日後の21日、中日戦でプロ初登板初先発に臨みました。
「思ったよりも自分のピッチングができた」と話した松井投手は、テンポのいい投球で3回まで一人のランナーも許さない完璧なピッチング。4回に初ヒットは許すものの5回を投げ、被安打2、5奪三振、1四球無失点と快投。育成ルーキーでの初登板初勝利はプロ野球史上2人目、セ・リーグでは史上初の快挙となりました。
試合後のヒーローインタビューでは緊張の面持ちながらも「最高でーす!」と一言。さらに「ここまですごく長かったんですけど、初勝利できてうれしいです」と勝利の喜びをかみしめていました。
そして、今回のインタビューでは「ここまで長かった」と話した真相を明かしてくれた松井投手。頭によぎったのはこれまでの苦労だったと言います。
「高校3年生のときに一回、野球に区切りをつけようかなと思った。でも、甲子園で1イニングだけ投げて、やっぱり野球って楽しいなって思って、それで大学でも野球を続けようと思った」
一時は野球を辞めようと思ったという松井投手。しかし、高校3年生の夏、甲子園のマウンドで投げたことで野球の楽しさを思いだし、野球を続ける事を決意したと言います。そして、明星大学に進学し、昨年のドラフトで念願のプロ入りを果たしました。
インタビューの最後に「これからも勝てるピッチャーになれるように精一杯練習を頑張りたい」と意気込みを語った松井投手。球団スタッフから「緊張しているね」と声をかけられると初々しい笑顔を見せていました。育成契約からはい上がり、巨人の先発ローテーションを勝ち取ったルーキーの今後の活躍に注目です。