陸上の男子マラソンで世界記録保持者のケルビン・キプタム選手(ケニア)が24歳の若さで亡くなりました。

ワールドアスレティックス（世界陸連）では、現地時間11日にキプタム選手が母国ケニアを車で走行中に事故に遭ったといいます。同乗していたガルベ・ハキジマナコーチもこの事故で亡くなったと報じました。

キプタム選手は、22年にマラソンデビューを果たし、2時間1分53秒を記録して初優勝。この記録はマラソンデビュー史上最速記録となり、世界記録歴代3位と鮮烈なデビューになりました。

その後、1年も経たずして23年10月のアメリカで行われたシカゴ・マラソンで驚異的な記録を更新。同じケニア出身のエリウド・キプチョゲ選手が保持していた世界記録2時間01分9秒を34秒縮め、2時間00分35秒の世界新記録を樹立しました。

キプタム選手は、今夏のパリ五輪の金メダル候補。人類初の2時間のタイムを切る選手として注目されていました。

世界記録からわずか4か月のタイミングでの訃報に、世界陸連のセバスチャン・コー会長はHPで思いをつづっています。

「私たちは、ケルビン・キプタムと彼のコーチの衝撃的な死去を知ってショックを受け、深く悲しんでいます。世界陸連を代表して、彼らの家族、友人、チームメイト、そしてケニア国民に深い哀悼の意を表します。ケルビンがマラソンで驚異的な世界記録を樹立したシカゴで、彼の歴史的なタイムを私が公式に承認することができたのは、今週初めのことでした。信じられないほどのレガシーを残した素晴らしい選手、私たちは彼を非常に寂しく思う」