29歳“遅咲きの代表ルーキー”原修太の挑戦 驚異の成功率86% 3ポイントで魅せたデビュー戦
選手たちは代表合宿や強化試合の場でアピールを続ける日々。7月8日・9日に行われたW杯前最初の強化試合は、台湾を相手に2戦とも快勝しました。そして22日・23日には韓国・ソウルで韓国代表との強化試合が行われます。
その遠征メンバー15人にも名を連ねた原修太選手に注目するのは、日本テレビでバスケットボール中継を担当する弘竜太郎アナウンサーです。
日本テレビアナウンサーの弘竜太郎です。今回紹介するのは、7月8日に行われた台湾戦で日本代表デビューを果たした、原修太選手29歳です。
■台湾戦は「入る」という空気 3ポイント成功率は驚異の86%
男子日本代表を率いるトム・ホーバスHCが強化の柱に掲げている『3ポイントシュート』。代表合宿の練習では、シュートを打ちやすい状況で、3ポイントを打たずにパスや他の選択肢を選ぶと「なぜ(3ポイントを)打たない!?」とホーバスHCがすかさず指示が飛ぶと、選手たちが口をそろえて話していました。
日本代表にとっては、強豪国と戦う上で欠かせない要素となっている3ポイントシュート。40%という高い成功率が求められる中、原選手はデビュー戦で、成功率86%の活躍を見せました。
7月8日の台湾戦。原選手が出場したわずか13分間で、3ポイントシュート7本中、6本を沈め、チームトップに並ぶ18得点。成功させた6本のうち5本は最終第4Qで決め、コート上ではまさに原選手が主役。ファンだけでなくチームメートも歓喜する活躍ぶりでした。
当日、私は会場で中継業務に携わっていました。原選手がシュートを打つと「入れ!」ではなく「入る!」という確信に近い空気が、アリーナ全体を包み込んでいるのを肌で感じました。
試合直後、原選手に話を聞くと「特に第4Qは、シュートを打った瞬間に『入る』と思えるくらい調子が良かった」と話していて、原選手自身も観客と同じように“確信”していたことが分かりました。
スポーツの世界でよく言われる“ゾーンに入る”感覚に近かったようで「バスケをやっていて、ここまでの感覚になることはなかなかない」と原選手自身も話していたことが印象的でした。
また、ホーバスHCも試合後の会見で「原選手が加わって、またひとつ代表争いが激しくなりそうだ」と笑顔で語り、W杯最終メンバー『12人』の代表争いはますますし烈な争いとなりそうです。
■日本代表では“ルーキー” 武器は『3ポイント』と『ディフェンス』
国士舘大学から、Bリーグが発足した2015年に千葉ジェッツに入団した原選手。そこから千葉ジェッツ一筋で、2022-23シーズンには、レギュラーシーズンベスト5とベストディフェンダー賞を初めて受賞しました。そして、今回の台湾での華々しい代表デビュー。まさに今、W杯日本代表というビッグチャンスをつかみつつあります。
原「3ポイント以外では、ディフェンスでもアピールしたい。相手がどんな選手でも守れる自信がある。勢いに乗っている相手を止められるようにしたい」
W杯に向け、意気込みを語った原選手。
原「日本代表では、自分はまだ“ルーキー”。自分よりも代表歴の長い選手たちに食らいついて、必死にやるしかない」
22日から行われる韓国代表との強化試合。持ち味を存分に発揮して、『12人』の代表枠をつかみとることはできるのか。29歳、“遅咲きのルーキー”原選手の挑戦は続きます。