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【男子バスケ】代表最年長・比江島慎が挑むW杯日本代表へのし烈なメンバー争い

2023年7月14日 12:01
【男子バスケ】代表最年長・比江島慎が挑むW杯日本代表へのし烈なメンバー争い
日本代表最年長の比江島慎選手(7月8日強化試合/写真:アフロスポーツ)

バスケットボールW杯開幕が約40日後に迫る中、日本代表の最終メンバー12人への生き残りをかけた戦いが始まりました。

選手にとってはアピールの場でもあるW杯前最初の強化試合が、7月8日・9日に静岡・浜松アリーナで行われ、日本は台湾を相手に2戦とも快勝。そして12日からは、韓国遠征に向けた日本代表合宿でさらなる強化をはかっています。

その強化試合を取材した山本健太アナウンサー(日本テレビ)が注目する選手を紹介します。

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生き残りをかけた戦いの中で「最年長でも、ルーキーのような気持ちでやっています!」と、明るい表情を見せたのは、日本代表最年長の比江島慎選手です。

■最年長で初めて挑む“サバイバル”

現在、日本代表候補は24人いますが、W杯最終メンバーは12人。さらに、比江島選手と同じポジションで、代表入りを狙う選手は多く、し烈な争いが予想されています。そんな中、比江島選手はまさにルーキーのように、日々アピールを続けています。

比江島選手にとって日本代表への“サバイバル”はほぼ初めての経験といっても過言ではありません。

百道中学、洛南高校、青山学院大学。どのカテゴリーでも、常に学生バスケの先頭を走り、プロ入り後も日本一を経験しMVPにも選出。NBAへの登竜門・サマーリーグに挑戦したこともあります。大学4年生の時に日本代表に初選出され、10年以上活躍し続けてきた超エリートなのです。

それでも今は、メンバー入りに向けたサバイバルの中にいます。比江島選手も「確かに言われてみれば、メンバーに入ることに、こんなに必死になったことはなかったですね…」と、これまでのバスケ人生を振り返っていました。W杯に向けて、それだけ厳しい代表争いが繰り広げられるのです。

■ホーバスHCのもとで変えたプレースタイル「3ポイント」へのこだわり

余談ですが、私もバスケットボールをしていました。2006年のウインターカップ(高校生の冬の全国大会)に出場した際には、私の1学年下、当時、洛南高校1年生の比江島選手のプレーを目の当たりにし、衝撃を受けました。1年生とは思えない落ち着き、正確なプレーで、日本一に貢献。スーパースターを擁し、ウインターカップでは3連覇を達成しています。

比江島選手は、今回のW杯メンバー入りへ、プレースタイルも少し変えてきました。

元々、比江島選手はドリブルで中に切れ込んでいくドライブが得意な選手。独特なステップは“比江島ステップ”とも呼ばれています。

トム・ホーバスHCが3ポイントシュートをチームに求める中、「“比江島ステップ”でのドライブ」という武器を残しつつ、3ポイントシュートを磨いてきました。

実際に、国内のBリーグにおいて2022-23シーズンは、3ポイントシュートの確率が43.4%。これはリーグ全体では3位。日本人選手に限れば1位という結果を残しています。W杯でも、この2つの武器にぜひ注目していただきたいと思います。

■33歳で挑むW杯 目指すは「世界で1勝」

W杯が開幕する2週間前の8月11日には、33歳になる比江島選手。バスケ界でも、ベテランと言われ始める年齢になる中、「世界で1勝したい」という人一倍強い思いを持っています。

日本代表は、世界の舞台へ挑戦すらできなかった時代が続きました。そして、13年ぶりに出場した前回の中国W杯、さらに東京五輪は、注目されていたものの、いずれも念願の1勝をあげることはできませんでした。

比江島選手は、日本代表の苦しい時代を長く経験しています。実は、東京五輪が終わり「もう日本代表は引退しようか」と考えていたと言います。それでも「世界で1勝したい」という思いから、最年長となった今も代表活動を続けています。

もちろん、日本代表候補の全選手に頑張ってほしい思いがあります。しかし、バスケ経験者だからこそ、自分がバスケ選手として頑張っていた頃から憧れ続けているスーパースターには、特別な思いがあります。ベテランの意地を、楽しみにしたいと思います。