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異例の「23回」胴上げにどよめく DeNA藤田一也が涙と笑顔の引退セレモニー

2023年9月28日 5:45
プロ野球セ・リーグ ヤクルト11-3DeNA(27日、横浜スタジアム)

今シーズン限りでの引退を発表したDeNAの藤田一也選手が試合後に現役引退セレモニーを行われました。

涙は我慢できず。球団が用意した映像では、横浜時代からの映像が流れ、引退会見で涙もろいと話していた藤田選手の目に熱いものが。あいさつの最中にはときより言葉をつまらせます。そして、チームメートの宮崎敏郎選手や楽天時代の同僚・ヤクルトの嶋基宏コーチから花束を受け取ると涙を流し抱擁しました。

球場を1周あいさつして回ると、最後は背番号と同じ異例の「23回」の胴上げを決行。回数を重ねるごとにファンからどよめきが起こり、藤田選手の顔は満面の笑みがこぼれました。

現役引退セレモニーは行われましたが、チームはクライマックスシリーズ進出決定が目前。藤田選手には残りのシーズンやクライマックスシリーズなどで出場が期待されます。横浜を愛し、東北に愛された男の活躍にまだまだ期待がかかります。

■■■引退セレモニー全文■■■

挨拶は得意じゃない方なので手紙にしてきました。聞いてください。

まずはじめに、このような素晴らしい引退セレモニーを用意してくださった横浜DeNAベイスターズ球団、そして三浦監督をはじめ、コーチ、選手、裏方さんの皆さん、お付き合いいただきました東京ヤクルトスワローズの皆様、最後まで球場に残って応援してくださったファンの皆様、本当にありがとうございます。

私、藤田一也は今シーズンをもちまして現役を引退します。振り返れば、ここ横浜から僕のプロ野球人生がスタートしました。横浜ベイスターズでプレーがしたいという気持ちでベイスターズに入団ができ、ベイスターズで優勝がしたい、レギュラーを取りたい、その思いが叶うことなく、2012年東北楽天ゴールデンイーグルスにトレードとなり、そのときは本当に悔しい思いをし、必ず活躍してやると心に誓いました。

楽天イーグルスでは迷ったときには前へ出ろ、勝利への執念、試合に出る喜びを学び、優勝、日本一を経験し、野球選手として一回りも二回りも成長させていただきました。

家族のような暖かいファンの皆様のおかげで頑張ることができました。東北での9年間は僕にとって財産です。ほんとうにありがとうございました。

戦力外を経て、昨年からもう一度横浜DeNAベイスターズでプレーすることができ、入団した時の夢だったベイスターズで優勝をするというチャンスをいただきました。

昨年のクライマックスシリーズでは僕の一打席によって、シーズンを終わらせてしまい、そのときに感じた悔しさと、申し訳なさは、またこのグラウンドで返したいという思い、今年一年戦うことを決めました。

その後押しをしてくれたのはベイスターズファンの皆様です。こんな僕にもかかわらず、鳥肌が立つような大声援をいつも送ってくださることが僕の力になってました。本当にありがとうございました。

選手のみなさん、最年長でベイスターズに戻ってくることになり、チームに溶け込めるか、心配で不安でした。後輩たちが先輩後輩ではなく、ともに戦う仲間として接してくれて、一緒に喜んで、一緒に悔しんで、一緒に泣いて、一緒に笑って、時にはみんなで馬鹿をして、こんな最高なメンバーと一緒に野球ができて、本当に幸せでした。みんなありがとう。

この場をお借りして、家族子供たちにお礼を言わせてください。親父、お母さん、姉貴、僕が野球を始めることで野球中心の生活になってしまうのに、野球をやらせてくれてありがとう。庭に野球の練習場を作ってくれたり、毎日汚れたユニフォームをたくさん洗ってくれたり、何一つ不満も言わずに地方のどんな所でも野球の応援に来てくれたこと感謝しています。

子供たち、いつもパパ頑張ってね、『ファイト』といって送り出してくれて、応援してくれてありがとう。かっこいいパパは中々見せれなかったけど、その言葉でパパは今日までがんばれたよ。これからは少し時間できるから色んな所に遊びに行こうね。

最後になりますが、横浜DeNAベイスターズのユニフォームで引退できること、こんな幸せなことはありません。19年間本当にありがとうございました。
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