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金メダル小林陵侑選手は「どさんこ」? お祝いツイートに思わぬ余波

2022年2月7日 20:43
金メダル小林陵侑選手は「どさんこ」? お祝いツイートに思わぬ余波
金メダルを獲得した小林陵侑選手(YUTAKA/アフロスポーツ)

北京五輪で日本勢初となる金メダルを獲得したスキージャンプの小林陵侑選手。

ところが、小林選手を「どさんこ(道産子)」と紹介してお祝いした北海道の公式Twitterに「道産子ではない」といった指摘が相次ぐ事態に。一体なぜ?

北京五輪スキージャンプ男子ノーマルヒルで6日、今大会日本勢第1号となる金メダルを獲得した小林陵侑選手。

小林選手は岩手県八幡平市出身で、待望の金メダル獲得に岩手はもちろん、ネット上でもお祝いのツイートが相次ぎました。

■いち早くお祝いツイートの岩手県に続き北海道も…

金メダルを獲得した直後、小林選手の地元・岩手県の公式Twitterが「小林陵侑選手、金メダルぅ!!!!!!!!!!!!」と、喜びを爆発させるツイートを投稿すると、ファンからもお祝いのコメントが相次ぎました。

そして、岩手県のツイートから遅れること4分、今度は北海道の公式Twitterが小林選手の偉業をたたえるお祝いツイートを投稿しましたが、そこには、北海道出身者であることを示す「道産子」の文字が。

これに対し、「小林選手は道産子ではない」「岩手県出身では」といった指摘が寄せられました。一体どういうことなのでしょうか。

■記者からも突っ込みも「縁のある選手は応援したい」

北海道庁スポーツ局の担当者に話を聞くと、すでに別の報道機関からも「小林選手は岩手県出身ではない」と問い合わせがあったことを明かしました。

一方で、今回のお祝いツイートについて次のように述べました。

「小林選手は北海道出身ではなく岩手県出身ですが、高校を卒業後に道内の企業に所属され、練習拠点の札幌で長く過ごされているということで“どさんこ”と表現させていただきました」(北海道庁スポーツ局担当者)

ほかにも、バイアスロンに出場する6選手のうち、北海道出身の選手は2人ですが、全員が自衛隊の所属で、北海道内の駐屯地に練習拠点を構えているため、出身地に限らず全員を「どさんこ選手」として応援しているということです。

■「本県出身選手を応援していただきうれしい」岩手からは喜びの声

一方、小林選手の生まれ故郷の岩手県スポーツ振興課の担当者は、小林選手は岩手県出身だとした上で、「みんなで小林選手を応援してくれてうれしい」と話します。

「本県出身の小林選手がたくさんの方に応援されてうれしい気持ちです。スノーボードの岩渕麗楽選手も本県出身ですが、練習拠点が福島県内にあるため、福島ゆかりの選手として紹介されることもあるようです」(岩手県スポーツ振興課担当者)

北海道と同様、出身地に関係なく、地元に少しでも縁がある選手を互いに応援し合うことで、スポーツ振興をはかっていきたい、としています。

■選手は中高生で「引っ越し」ウインタースポーツならではの事情も

今回の北京五輪参加選手が、北海道に次いで2番目に多い長野県でも、ホームページなどで「長野県関係選手一覧」を紹介しています。

長野県の担当者は「出身が県外でも、早い時期から長野を活動拠点にする選手もいて、ゆかりのある選手も多い」と説明します。

「長野県では1998年に冬季五輪が開催され、スキーやスケートをできる競技場がたくさんあります。ウインタースポーツは、近くに施設があるかが重要なので、練習環境を求めて、中学や高校の時に県外から長野に引っ越してきて競技を続けるという選手もおられます。長野にゆかりのある選手は多くいらっしゃいます」(長野県担当者)

担当者が口を揃えたのは「出身地に関係なく頑張っている選手を応援したい」ということ。

多少でも地元に縁やゆかりのある選手がいればさらに力強く応援したい。そんな熱い気持ちをSNS上で表明する自治体が相次ぐかもしれません。