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世界陸連が“トランスジェンダー選手”の出場資格を厳格化へ コー会長「いくつかの科学的進展が見られる」「競技の完全性を維持することは基本原則」

2025年2月11日 17:16
世界陸連が“トランスジェンダー選手”の出場資格を厳格化へ コー会長「いくつかの科学的進展が見られる」「競技の完全性を維持することは基本原則」
パリ五輪陸上女子1500mで7位入賞のニッキ・ヒルツ選手(写真:ロイター/アフロ)
陸上競技の国際連盟「ワールド・アスレチックス」は10日、男性ホルモンのテストステロン値が高い女子選手の出場資格の制限をより厳格にするよう協議すると発表しました。

これまでワールド・アスレチックスは、出生時の性別と性自認が異なる“トランスジェンダー選手”について、「一定期間、テストステロンレベルを一定基準未満に下げること」を条件に、女子カテゴリーへの出場を認めてきました。

去年の夏に開催されたパリ五輪で、LGBTQ公表アスリートは198人と過去最多。陸上競技でも、女子1500mでアメリカのニッキ・ヒルツ選手が7位入賞を果たしていました。

セバスチャン・コー会長は声明を発表し、「この分野ではいくつかの科学的進展が見られている」とコメント。「ワールド・アスレチックスは、スポーツにおける女性のカテゴリーを守るリーダーであり、女性の資格に関する明確な方針を確立した最初の国際スポーツ連盟のひとつです。女子カテゴリーにおける競技の完全性を維持することは、陸上競技というスポーツの基本原則」と語りました。

“トランスジェンダー問題”を巡っては、同日にも国際ボクシング連盟(IBA)が国際オリンピック委員会(IOC)に対して法的措置を取る予定と発表。

パリ五輪ボクシング女子66キロ級のエイマヌン・ハリフ選手(アルジェリア)と、57キロ級のリン・イクテイ選手(台湾)が、IBAの検査を通じて「女子」選手としての参加資格がないと判断されていましたが、IOCは「2人は女性」だとする見解を示し、パリ五輪での参加を容認。結果的に2選手が金メダルを獲得したことで、問題が本格化しました。

アメリカのドナルド・トランプ大統領が“トランスジェンダーの選手を女子スポーツから排除する”大統領令に署名すると、これを受けIBAのクレムリョフ会長は「女子スポーツの公正さを守ろうとするIBAの努力を正当化するものだ」と主張し、「これは明らかに人権侵害であり、女性ボクサーに対する侮辱であり、当然罰せられるべき犯罪です。私の個人的な意見では、トーマス・バッハ氏がこの件について全責任を負うべきです。当時彼が責任者だったからです。裁判所や他の判例で判決が出れば、彼は損害賠償を支払わなければいけません」と強くコメントしていました。
最終更新日:2025年2月11日 17:16
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