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体操・パリ五輪代表の行方…大怪我克服した岡慎之助が頭一つ飛び出す 貢献点では杉野正尭・田中佑典らが優勢

2024年5月19日 8:32
体操・パリ五輪代表の行方…大怪我克服した岡慎之助が頭一つ飛び出す 貢献点では杉野正尭・田中佑典らが優勢
平行棒では全体トップの得点をマークした岡慎之助選手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
体操・男子NHK杯1日目(17日、高崎アリーナ)

日本のお家芸。男子体操のパリ五輪代表をかけた最後の選考会が始まりました。

代表枠は『5人』。2023年の世界選手権で個人総合金メダルを獲得した橋本大輝選手は既に内定。残りの4枠のうち、2枠はNHK杯の上位2人、残りの2枠は、橋本選手とNHK杯上位2人の3人に対し、各種目の貢献点で最も団体点が高くなる組み合わせとなる2人が選ばれます(※1人はNHK杯10位以内)。

4月に行われた全日本選手権と、NHK杯2日間の合計得点で争う今大会。大会前時点で首位に立っていた橋本選手は、前日の練習で右中指側副靱帯を負傷し棄権を発表。王者不在の中での戦いとなりました。

■個人総合上位者は…?

選考レースで頭一つ飛び出したのは岡慎之助選手(徳洲会/徳洲会体操クラブ/星槎大学)。2022年には前十字じん帯断裂の大怪我に見舞われましたが、その間に強化した上半身を生かし、つり輪では力強さをアピール。最後のF難度『伸身ルドルフ下り』も着地を止めました。

得意の平行棒では全体トップの15.133をマークすると、鉄棒では離れ技のコールマンでややバーから離れますが、以降は美しい演技を披露。あん馬で落下があったものの、258.196で暫定首位に立ちました。

2位に入ったのは東京五輪代表の萱和磨選手(セントラルスポーツ)。最初のゆかでは着地で精彩を欠く場面もありましたが、その後は堅実な演技でカバー。鉄棒ではコールマンでバーに近づきすぎる場面もありましたが、6演技を大きなミス無く通しきり、256.495で暫定2位となりました。

岡選手は3位と3点差。体操は落下による減点が1点のため、安全な点差を保って大会最終日を迎えることになります。

■4・5枠目の争いは…?

そして団体への貢献点で選考レースの上位に食い込んできたのが、杉野正尭選手(徳洲会体操クラブ)。これまであと一歩のところで代表を逃してきたスペシャリストが覚醒しました。

得意のあん馬では、F難度の『ドリックス』やH難度の『Hコンバイン』など、高難度の技を次々と決め、この種目唯一の15点台である15.100をマーク。さらに鉄棒では日本で杉野選手しか行っていないF難度の離れ技『ペガン』を成功させると、5つの離れ技を含んだダイナミックな演技で全体2位の14.766をマークしました。

あん馬でミスが出ている岡選手、鉄棒の得点が伸び悩む萱選手という上位者の状況もあり、個人総合は5位ながらも、得意種目で得点を伸ばした杉野選手の団体貢献点が高くなっています。

さらに出場最年長34歳、リオ五輪金メダリストの田中佑典選手(田中体操クラブ)も躍動。演技の美しさを表すEスコアでは6種目平均8.761と驚異的な数値。とりわけ平行棒では最後の着地までピタリと止め、この種目唯一のEスコア9点台をマークし、15.100の高スコアをマークしました。

得意の平行棒、鉄棒ではここまでの3試合でミス無く得点を伸ばしている田中選手。2大会ぶりの五輪出場へ望みをつなげています。

NHK杯男子2日目は19日に行われ、パリ五輪代表が決まります。

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