ロシアの金メダリスト ウクライナへの軍事侵攻に反対「ロシア国旗の下では競技しない」と異例の表明
リオ五輪・男子近代五種で金メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レスン選手(33)がイギリスのBBCスポーツに対し「ロシア国旗の下ではこれ以上競技をしない」と述べました。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻に反対しての表明だということです。
「2月22日にロシア代表としては二度と競技しないと決めた。その2日後に(ウクライナでの)全ての出来事が始まった」衝動的に決めたとしていて、他の国でスポーツを続けるというわけではなく、スポーツに関連する仕事を始めることにしたといいます。
BBCスポーツは「こうした表明をするのはとても危険で、大きな代償が待っている」としていて、インタビュー中もレスン選手は「軍事侵攻」や「戦争」という言葉を意図的に避けていたということです。
「ロシア国旗の下で競技をしないということは事実上の引退」であり、「ほかの選手がレスン選手のように意志を表明する可能性はゼロ近いだろう」とBBCスポーツは報じています。
「ロシアのスポーツ関係者はプロパガンダの道具として使われている。その行為が、小さな男の子や、女の子の死につながっていることを理解できないんだ」とレスン選手は述べています。
「申し訳ないが、ロシアのスポーツ関係者はこの事態に何の影響ももたらすことはできないんです。何が起きているかを知らない人がほとんどなんです」
リオ五輪で金メダルを取ったレスン選手ですが、このときの銀メダルはウクライナのパブロ・ティモシェンコ選手でした。表彰式では2人は笑顔で写真におさまっています。