「きつねダンス」誕生秘話、発案者が語る「振り付けはわずか一日で完成」
発案者で自身も2008年から6年間ファイターズガールとして活躍し、現在球団職員として勤務する尾暮沙織さんを取材。「きつねダンス」誕生の経緯や「きつねダンス」の楽曲を歌う「Ylvis」の来日までの裏話を伺いました。
■「The Fox」を聞いた瞬間に即決、振り付けはわずか1日で「きつねダンス」誕生秘話
――きつねダンスが生まれた経緯
尾暮さん:元々日本ハムの球団マスコット・フレップをイメージしたパフォーマンスを作りたいなと思っている時に、楽曲「The Fox」に出会ったので、使おうと思いました。
フレップをモチーフにという事で「きつね」「フォックス」というワードを検索したところでこの曲が出てきて、初めて聞いたときにすぐに耳になじむメロディーとキャッチーなMVの振り付けに一瞬でとりこになって、「これは絶対使いたい!」と即決しました。
マスコットを中心とした楽曲やパフォーマンスがなかったので、フレップをイメージしたものを作ったら面白いかなと。その時は軽い気持ちだったんですけど、楽曲に出会って、ここまで反響を頂いたのですごくうれしく思っています。
――振り付け担当に要望したこと
尾暮さん:振り付け担当の方に原曲のMVの振り付けがキャッチーで面白い振り付けだから、これはベースにしてなるべく崩さないようにしたい。でも初めて見た方もすぐにまねしやすいように、ちょっとだけアレンジしてほしいという事を伝えて振り付けの方は1日で考えたと思いますね。
――振り付け担当から提案された振り付けを見て
尾暮さん:私のイメージ通りでばっちりでした。これが私のやりたかった事だとすごくうれしかったです。ですが、その時お客様の反応も薄くて、大きなリアクションももらえなかったので、時間がたてば浸透していくのかなという風に思っていましたね。
■不安の中スタート、手応えを感じたのは「YouTube動画」
――きつねダンスをメンバーに見せた時の反応
尾暮さん:今まで動物をモチーフにした楽曲やコミカルな楽曲はやった事はなかったので、きっとメンバーは不思議な感覚で見ていたと思いますし、「これ大丈夫かな…」と不安だったと思います。
――「きつねダンス」に手応えを感じたタイミング
尾暮さん:5月上旬にファイターズガール、マスコット、選手のみなさんが踊っている動画を公開してからですね。その後も毎試合毎試合踊ってくれるファンが間違いなく増えたと思っています。
■「Ylvis」来日のきっかけは個人DM
――9月19日にきつねダンスの楽曲を歌うノルウェー出身の「Ylvis」が来日し、札幌ドームでパフォーマンス
尾暮さん:きつねダンスが流行りだした頃に直接YlvisさんにDMを送りました。とにかくあの楽曲を愛しすぎていて、ご本人にこの思いを伝えたい。これだけ日本では流行っていることを伝えたいと思って、プライベートでツイッターのDMを送っちゃいました。球団のYouTube動画のリンクを貼って、「日本でこんな風に流行っているよ」と。そうしたら「ベリーグッド!」と返信が来て。その時はそれで終わったんですけど、そこから急加速のように(きつねダンスが)全国的に広まった。これは一つのイベントとしてできるんじゃないかと、社内で検討される事に。本人が来日したら一大イベントとして成立するから、「声かけてみよう!」と思って、また改めてYlvisさんにご連絡しました。そうしたら「是非来たい!」と言って実現した。当初球団には言えないから勝手に個人でやろうと思って、本当にこっそりやりました(笑)
■満員の札幌ドーム最終戦、「この景色がほしかった」
――1番印象深かった場面
尾暮さん:1番は「お客様に楽しんで踊ってもらいたい」「子どもたちに楽しんで踊ってもらいたい」という思いでこの楽曲での制作に至ったので、最終戦の満員の札幌ドームで最後にきつねダンスがかかったときに、スタンド一体となって踊っている姿を見た時が感無量でしたね。たくさんの拍手を頂いて、涙が出そうでした。この景色がほしかったと思いました。
――OGとして後輩たちへの思い
尾暮さん:今年はきつねダンスもあり、かなり知名度も高くなりましたし、全国的にも名前が大きく広がって、本当に活動の幅が大きく広がったと感じています。メンバーの経験の幅が広がる事が一番うれしいなと思っています。体で喜怒哀楽を表現できる事がダンスの素晴らしさだし、魅力だと思っているので、メンバーにも体全体で表現してもらいたいなとすごく思います。
■23年「きつねダンス」は動きが進化する
――「きつねダンス」の今後について
尾暮さん:ここまで、きつねダンスをたくさんの方に愛していただいたので、これをファイターズの定番としてこれからも引き続きやり続けていきたいと思いはもちろんありますし、長く愛されるコンテンツの一つにしたいなと思っています。見せ方は少し変えていきたいなと思っていますが、まだここでは具体的な事は言えないので、どうぞ来年、お楽しみにしていただければと思います。動きが進化するかもしれないですね。