【ボクシング】年間最高試合賞の堤聖也 “人生のつぶし合い”を繰り広げた故・穴口一輝について心境語る
19日、都内のホテルで2023年度ボクシング年間表彰式が行われ、史上2人目となる2階級4団体制覇を達成した井上尚弥選手ほか受賞選手が出席しました。
今年度の年間最高試合賞(国内)に輝いたのは12月26日に行われた日本バンタム級タイトルマッチ、堤聖也選手と穴口一輝選手の試合でした。
試合は堤選手が4度のダウンを奪うも穴口選手も引かず、最終ラウンドまで壮絶な打ち合いに。結果は王者・堤選手が防衛しましたが、重大なダメージを受けた穴口選手は試合後に意識不明となり病院へ搬送。右硬膜下血腫と診断され、2月2日に亡くなりました。23歳でした。
この試合以来の公の場となった堤選手。「色々な意見が出ていますけど僕としてはこの試合を選んでくれて良かった。『この試合じゃなかったら、どれが年間最高試合なの?』と聞かれるとたぶん迷うと思うんですよ。そのくらい圧倒的な内容だったと思う」と受賞した心境を明かしました。
重ねて、対戦した穴口選手について「本物のボクサーだと思いました。悔やまれるのは今日この日一緒にいられなかったこと、これだけが悔やまれます。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と語る堤選手。
今後のボクシング人生について聞かれると「あの試合については誇りに思っている。彼に問わず僕は戦ってきた人との“人生のつぶし合い”だと思ってボクシングしてきているから、彼に問わず戦ってきた人の思いはある。僕の人生に彼らの思いは乗っているのでそれも全て覚悟した上で今後も僕のスタイルのボクシングを皆さんに見せていきたい。世界は必ずとります」と亡くなった穴口選手の思いも背負い、戦っていく姿勢を語りました。