あれから10年 アスリートが思いを発信
東日本大震災から10年となる今年、スポーツが持つ夢や希望を与える力を未来につないでいきたいという思いで、プロジェクトが発足され、支援金を募るため「スポーツのちからで未来にひかりを」のメッセージの下、東北にゆかりのあるアスリートたちが思いを発信しました。
■卓球・張本智和選手(17・宮城県仙台市出身)
「震災当時は学校の宿題をやっていて、まずは机に隠れてそこからトイレに逃げ込んで、そのあと近くの公園に逃げました。今が当たり前だと思わずに1日1日を全力で努力してください」
■フィギュアスケート・荒川静香さん(39・宮城県育ち)
「自分が育った場所が被災地になったことで、自分に何ができるのかをこの10年ずっと考えて過ごしてきました。前を向く力、そして立ち上がる力が東北の人たちにはあるというのを、この震災からも知りましたし、それを助けようという日本全国の大きな力も震災を通じて感じることがたくさんありました。常に前を向いて、自分にできることを一つ一つ積み重ねていって、大変なことを乗り越えていきましょう」
■レーシングドライバー・佐藤琢磨選手(44・被災地の支援活動を行う)
「世界中の誰もが何か自分にできることはないかと感じたと思います。子供たちに夢を持つ大切さ、挑戦する楽しさを伝えたいと思い、震災から10年、毎年いろいろな活動をしながら復興地の応援を続けてきました。挑戦し続ければ夢はかなうと信じています」
■バドミントン・高橋礼華さん(30・宮城県仙台市の中学高校に進学)
「当時私はアスリートとして何ができるんだろうと考えましたが、バドミントンの試合で結果を残すことで東北のみなさんの力になれればなと思いました。どんな状況であっても常に目標を持ち続け、それに向かって努力し続けてほしいと思います」
■スポーツクライミング・伊藤ふたば選手(18・岩手県盛岡市出身)
「家族や近所の人たちと不安を抱えながら停電の中過ごしたことを覚えています。どんな状況であっても目標を持って挑戦し続ければ自分の夢はかなうと思います」
■ラグビー・畠山健介選手(35・宮城県気仙沼市出身)
「宮城県気仙沼の実家は津波の被害で流されてしまい、僕が気仙沼に帰れるようになったのは約1か月後でした。現実を目の当たりにしたときに無力さを痛感し、自分に何ができるんだろうと考えました。いまだに忘れることができない方もたくさんいると思います。忘れる必要はないと思います。自分の本当に大事なことが何か、気づけたというきっかけにしてほしいと思います」
■プロ野球・東北楽天・銀次選手(33・岩手県出身)
「人生には楽しいこと、苦しいことも必ずあります。でも絶対にあきらめなければ突破できますし、その力が成功に絶対に必要だと思います。自分を信じて努力し続ければ必ず結果はついてきます」
■テニス・杉田祐一選手(32・宮城県仙台市出身)
「あの日の出来事が自分自身のテニスに対する考え方、テニスで何を伝えたいかを考える大きなきっかけになりました。スポーツの力で日本を元気にできたらと思っているので、みなさんでまた一緒に頑張っていきましょう」
■自転車・渡邉一成選手(37・福島県双葉町出身)
「福島に住む家族と連絡を取ったり、情報を得ようと必死だったことを覚えています。強い思いを持って物事に挑戦すればいつか夢はかなうと思います。やればできる」
集まった資金は、プロジェクトの運営費用と未来を担う子供たちのスポーツ支援に使用されます。
画像提供:「スポーツのちからで未来にひかりを」