渡邊雄太 NBA本契約を掴んだ3つの進化
NBAのトロント・ラプターズと本契約を結んだ渡邊雄太選手(26)が23日、日本テレビのインタビューに答えてくれました。
これまで下部リーグでプレーしながら一定期間NBAでプレーできる2-WAY契約からの本契約について、渡邊選手は「この3シーズン本当にたくさんしんどいことがあって、諦めかけるぐらい本当に精神的にちょっと落ち込んだりした時期もあったんですけど、ただずっと継続して努力を続けたおかげでこうやってご褒美として本契約っていうのをもらえました。満足は当然してないですし、まだまだこれからだと思っていますけど、ただようやく第一歩を踏み出せたかなという感じはします」と振り返りました。
日本人のNBA本契約は田臥勇太選手、八村塁選手に続く3人目の快挙。八村選手からも祝福の連絡があったといいます。
――八村選手から何か連絡はありましたか?
渡邊「彼からもおめでとうっていうのは頂きました。この間ウィザーズと対戦した時、試合後、彼に連絡を入れてたけどその連絡が返ってきてなかったので『連絡無視するなよ』と冗談で言ったら彼はちょっと笑ってました」
――渡邊選手にとって八村選手の存在は?
渡邊「ウィザーズにとって彼は欠かせないない存在になっている。僕がこの世界に入って、それがどれだけ大変なのかは一番分かっている。八村が活躍することで刺激をもらっています。僕よりも年下ですけど尊敬します」
そして、本契約をつかんだ渡邊選手には3つの進化があったといいます。
進化(1)「リング周りのフィニッシュ」
渡邊「リング周りのフィニッシュで今まで自分がNBAの中でできてなかったようなプレーがその試合からできるようになってきてたので、あれは自分の中で何かをつかめたプレーだったと思います」
転機となったのは4月3日(日本時間)のウォリアーズ戦、ゴール付近で相手ディフェンダーに体をぶつけながらもシュートを決めたプレーでした。
渡邊「自信がついたワンプレーだったので、体が強くなったのと慣れが出てきたのはすごく感じて、NBAの当たりの激しさなどにまだ慣れきれてなかった自分がいたのに対して感覚として、こういけば試合の中でもうまく決めきれる経験を得た、自分が大きく成長した部分の1つだなと思っています」
進化(2)「ディフェンス力」
渡邊「アメリカ人の方が身体能力が高い。身体能力では勝てないからフットワークの部分でディフェンスをやっていかなきゃいけない。ディフェンスの部分はこれまでも評価はしてもらってはいたんですけど、今まで試合に出られていなかったのでアピールできていなかったんですけど、今シーズンたくさん試合に出させてもらってディフェンスの部分は評価が高まったんじゃないかなとは思ってます」
ブロック:1年目1個→今季16個
スティール:1年目4個→今季20個
(4月24日時点)
進化(3)「シュートの精度」
渡邊「NBAで生き残っていくためにはシュート力が絶対に必要になってくると思います。シュート力で波のある選手はいくらディフェンスができてもコーチとしては使いにくい部分はあると思いますし、フィールドゴールの成功率を見てもかなり数字も伸びてきて、継続して練習してきた成果がここにきてようやく出てきているのかなと思います。本当に自信を持ってすごくいい感じで試合の中で打てているので、この感じでいけばもっと確率も上がってくると思っています」
フィールドゴール成功率(2Pシュート+3Pシュート):1年目29.4%→今季45.0%
3ポイントシュート成功率:1年目12.5%→今季39.7%
(4月24日時点)
――本契約して気持ちの部分で変化はありますか?
渡邊「本契約という中で15人の中の1人に入っているので、それに見合うかそれ以上の活躍をどんどんしていかないと、やはり厳しい世界にいるのでプレッシャーはある意味ちょっと増えたかなと思います。活躍して日本のバスケットを盛り上げていきたいです」