【後編】白井健三 五輪代表最終選考会へ
体操の2016年リオ五輪団体金メダルメンバー、白井健三選手(24)が日本テレビのインタビューに応じました。これまで数々の実績を残し、現在は日本体育大学の助教を務める白井選手。東京五輪代表最終選考会の全日本種目別選手権(5日~6日・高崎アリーナ)への決意を語りました。
<前編より続く>
◆全日本種目別選手権へ『白井健三だな』と思われる演技がしたい
――NHK杯で「ゆか」と「鉄棒」に絞った理由は
白井「得意な2種目に絞ることによって、練習の段階で気持ちもかなりポジティブに保てるだとか、いろいろな点から見た最終決断だった。NHK杯はその2種目に絞って出場したという意味が示せたので、自分の選んだ選択は間違っていなかったと実感しました」
――今大会、「ゆか」で“やりたい技”やテーマは
白井「フル構成に戻したかった時期があったが、それを考えてばかりいると、昔の自分と比べ今は力不足な部分はあるので、なかなか受け入れられない自分がいたが、『今の自分は昔の自分ではないんだ』と受け入れた瞬間にかなり楽になって、練習態度とかもかなり変わった部分もあって。昔みたいに勢いでバンバン難しい技ができる自分ではないですけど、それを理解した自分は、全く違う強みがあると思うので、10代が躍動する中で20代中盤という年齢になった自分でも、その自分を理解した演技という強みはすごくあると思う。実際には見えないが、いろんなことを考えて、いろんな決断を繰り返してきた練習という背景を、演技に込めて人々に伝えていきたい」
――どんな演技をしたいか
白井「『白井健三だな』と思われる演技をしたい。具体的なイメージはなくて僕の中にも。何点をとりたい、何位をとりたいと思ったことはほとんどないので。自分の中でそう考えている時が1番いい演技ができる時だと思うし、自分にしかできない演技がなんとなく頭の中にあるので、『これはもう健三にしかできないわ』と周りにも思ってもらえるような演技を1番強く目指したい」
――どんな『白井健三』を見せたいか
白井「一番、思い出深い大会かもしれない。初めて中学生でメダルを取ってメディアの方々に取り上げていただいたのもこの試合ですし、初めて世界選手権代表に入ったのもこの試合ですし。自分が羽ばたいていくきっかけになった試合はこの試合だと思うので、里帰りした気持ちでまた一つ、白井健三という名をこの大会で刻み込められればいい。自分も気持ちよく演技したい思いが強いし、自分ができることは演技を通して感動してもらうこととか、勇気を与えることだけなので、本当にアスリートとしての役割も少しは担っていきたい思いもあるので、そういった思いも込めて演技したい」
※写真:森田直樹/アフロスポーツ