右ひじ痛めていた 体操・村上茉愛5位入賞
◆29日、東京五輪・大会7日目、体操女子個人総合・決勝、有明体操競技場
体操女子個人総合の決勝に日本の村上茉愛選手が臨みました。村上選手は全4種目(平均台、ゆか、跳馬、段違い平行棒)で大きなミスなく、力強い演技を見せ、総合得点56.032を記録。メダルには届かなかったものの、5位入賞を果たしました。
以下、試合後、村上茉愛選手のコメント。
――予選から大きく順位をあげた
「個人戦は失敗しても自分1人の責任なので、思い切ってやろうと思えた。実は団体決勝の時に右ひじを痛めてしまい、昨日の時点では試合に出るのもどうかと思うくらいだった。それでも、東京(五輪)のために体操をやってきたので諦めたくないと思い、出場した。決勝は痛みがあったことで変な緊張もなく、本来の自分の演技が出せた」
――最後の段違い平行棒は、いろいろな思いがこもっていた
「団体の時にあの演技を出したかった。練習ではいい演技ができており、なぜ本番ではできないのかと常に悩み、悔やんできた。今日の個人総合ではトップに食らいつきたいと思いながら演技し、ようやくいい演技が出せた。今日は最後の4種目の演技ということで、楽しみながらできた。特に平行棒は良かった」
――スタンドからの仲間の声は力になりました
「自分の身近な人も来られない、応援がないのは、予選の時から違和感があり、やりにくいのも本音ではあった。一緒にやってきた仲間が応援してくれるというのは力になったので、みんなにすごく感謝している」
――寺本明日香選手からもらったお守りもありました
「この演技ができる、権利を獲得してくれたのも明日香(寺本選手)が引っ張ってきてくれたおかげ。いい演技ができる場があるのに本来の自分の力が発揮できないのは明日香(寺本選手)に申し訳ないと思っていた。個人戦ではあるがやっといい演技ができた。メダルに届く点数ではないが、自分の本来の力が発揮でき、5位まで食い込めたので、いい報告ができる」
――ゆかの種目別決勝に向けて
「予選の点数から団体、今日と少し点数を上げられており、今日はメダルには届きませんでしたが、いい点数が取れてきていると思う。あとは5年間やってきたことだけを信じて、何も考えずに演技を楽しみたい。メダルを獲得するためにやってきたので、“ゆか”を楽しんで、いろいろな人にアピールをしながらメダルを狙いにいきたい」
写真:森田直樹/アフロスポーツ