東海林大 シーズンベスト超えで4位入賞
31日、東京パラリンピックの競泳男子200m個人メドレーSM14(知的障がい)が行われ、この種目の世界記録保持者の東海林大選手が決勝に出場。シーズンベストを上回る好タイムを出したもののメダルには一歩及ばず4位で今大会最後のレースを終えました。
今大会、東海林選手は3種目にエントリー。100mバタフライでは予選敗退、混合400mリレーでは4位で惜しくもメダルを逃し、3種目目となった200m個人メドレーで決勝に進みました。
山形市出身の東海林選手は4歳から水泳を始め、その頃に自閉スペクトラム症と診断されました。高校でパラ水泳に転向すると、2019年の世界選手権では200m個人メドレーを2分8秒16の世界新で優勝し、東京大会の出場権を獲得しました。強さの秘密はテニスボールを挟めるほど、柔らかい肩甲骨。この柔軟な動きが、広い範囲で水をかくことを可能にしているといいます。
さらに、メンタル面で取り組んでいることが、自らの行動を書き綴った「できたことノート」。うまくいったこと、練習でできたことを文字に書き起こすことで前向きな気持ちになれるといいます。
そして今日、得意種目の200m個人メドレーに出場した東海林選手は、午前中に行われた予選を2分15秒54の8位で通過。決勝では最初のバタフライから積極的な泳ぎを披露。苦手な背泳ぎで一度は8位まで順位を落としますが、平泳ぎ・自由形で怒涛の追い上げを見せ、4位入賞。予選よりタイムを4秒以上縮め、2分11秒29のシーズンベストをマークし、今大会を終えました。
優勝はイギリスのリース・ダン選手。東海林選手の持つ世界記録を上回る2分8秒02の世界新記録を樹立しました。
写真:西村尚己/アフロスポーツ