大久保嘉人「最高のサッカー人生」引退会見
サッカー元日本代表でセレッソ大阪の大久保嘉人選手(39)が22日、引退会見を行いました。
「大久保嘉人は…」会見冒頭から涙ながらに語り出し、「今シーズンをもって…、引退します。20年間という長い間でしたけど…、本当に最高のサッカー人生でした」と、タオルで涙をぬぐいながら挨拶した大久保選手。
直後に「泣かない予定だったんですけど、速攻泣いてしまいました。すみません。素晴らしい会見にできたらと思います」と、涙と笑顔を浮かべながら会見が始まりました。
「プロになった時にこういう引退をしたいというプランがあって、自分が動けるうちに『まだまだ出来るだろう』と言われるうちに辞めたいと自分で思っていた。それが今なのかなと思い決断しました」
J1通算191ゴールの最多得点記録を持ち、今季6点をあげているストライカーは、惜しまれながら引退を決断した理由を明かしました。
■通算200ゴールへの思い
9ゴールに迫っていた通算200ゴールへの思いを聞かれると「取りたい…取りたい気持ちはありましたね。まだまだ自分の力が足りなかったのかなと思います」と、涙ながらに告白。
「200得点を取りたいという気持ちは誰よりも強かったですし、そのチャンスがあるのは自分だけ。『取るまでやれ』という人しかいなかった。自分の中でも良かったら取れるし、悪かったらあと何年で取れるかわからない。それならこの時点で辞めた方が自分としてはスッキリすると思い決断。それを皆様に伝えたときは本当にスッキリして、そこを目指さなくていい、言われることもないと、今は整理もついてますし非常にスッキリしています」と、晴れやかな表情を浮かべました。
■“やんちゃ”プレーに隠された計算
野性味あふれ“やんちゃ”とも言われるプレースタイルについては、「そういう選手がいなかったので、自分的にはそういう選手でありたいと思っていました。退場も多かったですし、“やんちゃ”と言って下さったことはそれが自分らしいと思っていたので、いろいろ言われますけど、それを突き通せたことが本当に自分らしいかなと思いますし、誇りに思いながら辞めていけるかなと思います」と、力強くコメント。
「動くところは野性的だったかもしれないですけど、ゴールを取るために確率を求めていましたし、もともと中盤の選手だったのでパスの出し手の気持ちもわかる。逆算しながら常にプレーしてました」
「FWより下がっていたのは、ただボール触りたいからではなくて、DFがついてくれば他の選手のスペースが空く。得点のチャンスが増えると思ってやってた。パスを出す人のボールの位置から、点が取れるところにいるDFの選手をどう動かすか」
「本当に考えることが多くて、野性的といわれていましたけど実は考えていましたと、選手の時は言わなかったですけど、今それを伝えたい」と、自身の考えを明かしました。
■引退後は「ゴルフで90切り」
そして今後については、「シーズンが終わって話し合いながらいろいろなことにチャレンジしたいと思います。今言える目標は『ゴルフで90切り』をやりたいなと。早めに切れたらいいなと思っています」と、笑顔で語りました。
「皆様には感謝しかないですし、迷惑をかけてきましたけど、それがサッカーの大久保嘉人。この20年間応援し続けてくれた所属したチームの皆様、そしてレフェリーの皆さんには非常に迷惑をかけましたし、そこは謝りたいなと思っていますけど、ここからサッカー選手ではなくなる以上、レッドカードはもらわないようにやっていきたいと思います。大久保嘉人に関わってくれた皆様ありがとうございました。本当にお世話になりました。」
冗談交じりに笑顔で感謝を語り、引退会見を締めくくりました。