ミシガン大 本拠地は市の人口とほぼ同じ
アメリカのカレッジスポーツは8000億円の市場規模を誇るビッグマーケット。その中でもミシガン大学、特にアメリカンフットボール部はトップクラスの規模です。
ミシガン大学のスゴさを語る上で忘れていけないのが、ウルヴァリンズ(ミシガン大学フットボール部のチーム名)のホームスタジアム「ミシガンスタジアム」。その知名度は映画にもなったほどです。「ザ・ビッグ・ハウス」の愛称で親しまれるスタジアムの収容人数はなんと10万7601人で全米トップ。NFLでも10万人を超えるスタジアムは存在しないのに、大学の施設でこの規模ですから開いた口が塞がりません。同大学が位置するアナーバー市の人口が11万人ほどなので、スタジアムのキャパシティは市の人口に匹敵します。
スタジアムの収容人数もケタ外れなのですが、アメリカンフットボール部ヘッドコーチの年俸も驚きです。ウルヴァリンズのアメリカンフットボール部を指揮するのは、ジム・ハーボー。同大の卒業生であるハーボー監督は、現役時代はNFLで活躍。引退後はスタンフォード大学やサンフランシスコ・49ersの指揮官を務め、スーパーボウルにも出場した名将です。
2021年1月に発表された新契約によると、その年俸は約400万ドル(4億5000万円)。
さらに年俸もびっくりなのですが、ハーボー監督の男前にも仰天させられます。CBSスポーツ電子版によれば、ハーボー監督は、今シーズンのボーナスすべてをコロナ禍の中で減給された体育局職員に寄付するつもりとのこと。すでに150万ドル(約1億7000万円)のボーナスを確定させており、全米タイトルを獲得すれば、ボーナス総額で350万ドル(約4億円)近くになるといいます。自らも減給となったにもかかわらず、職員を気遣うハーボー監督の男気にはただただ頭が下がる思いです。
今シーズンのミシガン大学は、強豪がひしめき合うBIG10カンファレンスを制し、CFPセミファイナルのオレンジボウルでジョージア大学と対戦します。ここを勝ち抜けば、来年1月10日のCFPナショナルチャンピオンシップに駒を進め、コットンボウルの勝者と全米王者をかけて争います。現役時代のハーボー監督は、最終クオーターに逆転劇を演じてきたことから「キャプテン・カムバック」の愛称で知られていました。この大一番でも、指揮官の現役時代のようなドラマチックな大逆転劇が見られるかもしれません。年末年始は、ウルヴァリンズの戦いから目が離せません。
写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ