第１００回全国高校サッカー選手権は１２月２８日に開幕します。群馬代表の前橋育英は２９日の１回戦で草津東（滋賀）と対戦。前橋育英の注目選手たちとチームの特長を紹介します。

■前育サッカーのキーマンは「ボランチ」

前橋育英は群馬県大会を通して４試合１７得点１失点。ボールを保持しビルドアップして攻めるサッカーで主導権を握り続け、県大会を制しました。山田耕介監督は、こうしたポゼッション主体に加え、今年は「人とボールが動くサッカーをしたい」と話します。このサッカーを目指す上で、山田監督がキーにあげるポジションは「ボランチ」。現在は徳永涼選手（２年）と根津元輝選手（２年）の２年生コンビが務めています。

県大会では、その徳永選手が得点を演出するシーンが目立ちました。準決勝では１ゴール１アシストだったほか、決勝でもアシストにつながるパスを送り決勝点が生まれました。県大会について、徳永選手は「根津選手との連係が良くチャンスをつくることができた。１年生から一緒にボランチを組んでいて、お互いがやることを分かり合えている」と振り返ります。

■今年度でプロ輩出１００人目・２人のプロ内定選手にも注目

これまで数々のプロサッカー選手を輩出してきた前橋育英ですが、今年度でついに１００人目に到達（※）。今年度のチームには２人のプロ内定選手がいます。

１人は、Ｊ２長崎内定で１８歳以下日本代表候補のＭＦ笠柳翼選手（３年）。県大会では準々決勝と準決勝でゴールを決めたほか、決勝では鮮やかなスルーパスで決勝点をアシストするなど、攻撃の中心です。笠柳選手は「ドリブルだけでなく、味方をうまく使うスルーパスも自分の武器」と話します。山田監督は「サッカーＩＱが高い選手」と評価します。

もう１人は、地元のＪ２群馬内定のＤＦ岡本一真選手（３年）。２大会前の全国大会では、１年生で唯一メンバー入りを果たしていた実力者で、１対１の守備をはじめ安定感抜群なプレーが持ち味です。山田監督は「彼がいると絶対に抜かれない」と絶大な信頼を寄せています。岡本選手は「１対１や予測した守備は自分の武器」と話した上で、「３年生になって攻撃参加も増えてきて、チャンスメイクも自分の武器になりつつある」と攻撃面にも自信をのぞかせます。

※９８人目…笠柳選手／９９人目…岡本選手／１００人目…宮崎鴻選手（現・駒沢大）

※写真は１８歳以下日本代表候補・笠柳翼選手

（取材・文：高校サッカー選手権民放４３社／群馬テレビ）