高校サッカー北海道 17大会ぶりの勝利へ
第100回全国高校サッカー選手権大会は12月28日に開幕します。1回戦で、北海道代表の北海高校は29日に長崎総合科学大学附属高校(長崎)と対戦。開幕を前に、全国選手権での成績を振り返ります。
■北海・30回大会のベスト8が最高成績
浦和(埼玉)がシーズン52戦無敗を達成した1951年度、北海は全国選手権に初出場しました。1回戦で岡山朝日を2-0で下し初勝利。2回戦で三国丘(大阪)に2-0で敗れましたが、学校史上最高のベスト8を記録しました。
しかし、近年は出場3大会連続で初戦敗退を喫しています。初戦突破となれば、島谷制勝監督就任後初めて出場した83回大会以来です。今年の新チーム発足直後、選手全員で立てた目標は『全国大会勝利』でした。インターハイ全道予選敗退により、自分たちの弱さを自覚しました。練習中に消極的なプレーが見られれば「全国で勝つ気があるのか」と指摘し合い、チームで目標を達成するため、キャプテンの伊藤麗生選手(3年)を中心に這い上がってきました。就任29年目を数える島谷監督は「対戦相手の分析は総力をあげ進められている。あとは100%の力を出させてあげられるかですね」と、たくましくなり始めた選手の心の火を灯すタイミングを計っています。
■17大会ぶりの全国選手権勝利へ
一方で島谷監督は「名将へのチャレンジです」と、今大会の初戦を一指導者として心待ちにしています。長崎総合科学大学附属を率いるのは小嶺忠敏監督。国見時代には、戦後最多に並ぶ6回、全国選手権優勝へ導いたレジェンドです。島谷監督も指導歴が浅かった頃、頻繁に全国選手権の準決勝や決勝へ足を運び、小嶺監督の作るチームから勝つためのヒントを得ようと目を凝らしていた1人でした。最も小嶺さんに衝撃を受けたのは人間教育の部分だったと言います。「試合中のベンチ裏の荷物がどのチームより整理整頓されていた。2002年度のインターハイで目の当たりにし、自分の携帯電話で写真に収め、お手本にするよう北海の選手たちへ伝えたこともありました」と明かしてくれました。
尊敬する名将が作るチームと練習試合を含めて初めて対戦します。しかも100回大会という節目に引き寄せた奇跡。「両チームの持ち味は、走り戦うこと。そこでは譲れません」と、真っ向勝負で金星を狙います。
※写真は大会に向けてミーティングを行う島谷制勝監督
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/札幌テレビ放送)