インターハイに挑む②秋田南男子バスケ部
創部以来初の全県制覇とインターハイ出場権獲得の快挙を成し遂げた、秋田南高校男子バスケットボール部。
秋田の高校バスケの歴史に新たな1ページを刻んだ部員たちは、進学校の生徒として、文武両道も意識しながら練習に励んできました。
時間に限りがある中、丁寧に磨き上げてきたのは、相手に隙を与えないディフェンスです。
部員たちは全国の大舞台に立つことに胸を躍らせながら、来月4日の初戦にきっちりと照準を合わせています。
◇全県総体決勝◇
観客席には、総勢約650人の南高ブースター。
その声援を受けて戦うチームの愛称は、“ファルコンズ”です。
狙いを定めたハヤブサたちは、先月、“極上の獲物”を仕留めました。
創部以来初の全県制覇とインターハイの出場権獲得。
歓喜の大合唱でその快挙を祝いました。
秋田の高校バスケの歴史を塗り替え、次は全国を見据える、秋田南ファルコンズ。
大学進学を目指す生徒が多い進学校でもあるため、27人の部員たちは「文武両道」も常に意識しながら、丁寧に練習に取り組んできました。
3年 早川純平 選手
「ほかの生徒よりは勉強時間は少ないと思うんですけど、スキマの時間とかを有効に使って、少しずつ勉強に取り組んでいます」
3年 森川敏生 選手
「自分の中で勉強と部活のオン・オフを上手く切り替えをしながら、自分なりに1日のリズムとかルーティンを決め、毎日コツコツ頑張ってきました」
丁寧にバスケと向き合ってきた選手たちだからこそ、どんな相手にも、真摯にまっすぐぶつかってほしいと話すのは、就任4年目の齊藤智也監督です。
齊藤智也 監督
「インターハイになると能力のある選手が多いと思うので、そこで心が折れずに、どんどんゴールに向かっていきましょうと。少しでも今までやってきたことがコートの中で発揮できるように、選手たちには頑張ってほしいと思います」
秋田の高校男子バスケをけん引してきたチームといえば、もちろん能代工業です。
校名が能代科学技術に変わってからも、3年連続でインターハイに出場しましたが、今年は準々決勝で敗退。
混戦の県大会は、去年3位の秋田南が頂点に立ちました。
齊藤監督
「私が学生の時から能代工業がすごく有名で、強かったんですけども、現状はどこのチームにもチャンスはあるのかなと思ってはいますが、ただほかのチームよりも自分たちのチームでやるべきことをやりましょうと練習に取り組んでいます。我々のチームは身長も大きいわけではないので、まずチームディフェンスを頑張りましょうと、そこから始めてきました」
県大会を勝ち抜き、そして全国の強豪と戦うために。
チームは、相手に隙を与えない強度の高いディフェンスを磨いてきました。
テクニックのある選手や力強い留学生を想定して、3人がかりで守備にあたる練習も。
しぶとく、粘り強く。
ボールを持った相手をどこまでも追い続けます。
先月の全県総体決勝でも、磨いてきたディフェンスで相手を苦しめた秋田南。
終盤に逆転すると、そのリードを全員で守りぬきました。
この大一番で23得点とスコア面でもチームを引っ張った高橋樹キャプテンは、3年間磨いてきたチームディフェンスに自信をのぞかせます。
高橋樹キャプテン
「チームとしてやっぱり平均身長は小さい方なので、全国と比べても小さいので、チームで守ることを意識して、あと個人では厳しいところもあるので、相手とか留学生とかいたりすると厳しいので、チームで守ることを意識しています。最初は頭を使うところも多くて難しかったんすけど、3年間やっていく中で、体が勝手に動くようになって、プラスで声掛けとかも重要になってきたので、質はだいぶ上がったかなと思います」
今年は福岡県で開催される、インターハイ。
秋田南は初戦で、神奈川第2代表の湘南工科大学附属と対戦し、勝てば、これまで多くの全国制覇を果たしてきた高校バスケの超名門、第1シード・福岡大附属大濠との2回戦が控えています。
初めての大舞台に胸躍らせる秋田南ファルコンズ。
全県制覇を達成した今の3年生の中には、この夏が終わってもバスケと受験勉強を両立させ、秋のウインターカップ予選を目指そうと考えている選手もいるそうです。
バスケ部の選手として。そして、文武両道を目指す生徒として。
秋南の若人が、全国に初めてその名を刻む戦いは、10日後に迫っています。