“波乱”の箱根予選会は立教大が磐石の走りでトップ通過 新指揮官は"集団走"を取らず「自分で考えてレースをマネージメント」 本選ではシード権が目標
来年1月2日、3日に開催される第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の予選会が19日に開催。立教大がトップ通過しました。
この予選会は、ハーフマラソン(21.0975キロ)を各校最大12人が走り、上位10人の合計タイムで順位を競います。わずか10枚の本大会への切符をかけて、43校509人の選手が出走しました。
10月にもかかわらず、スタート直前の気温は、午前9時の時点で23.2度と高く、レース中にはさらに上昇。さらには強い日差しも照りつける過酷なコンディションが、選手たちの大敵となり、数々の波乱を引き起こしました。
そんな中、安定した強さを見せたのが立教大学でした。
■新指揮官は昨年の反省ふまえ、"集団走"をとらず
「目標は(箱根駅伝の)シード権って言っている以上、予選会では戦えないとダメだし、通過点にできるといいかなと思っていました」
こう話すのは今年4月より指揮をとる高林祐介監督。チームは箱根駅伝本選でシード権を獲得することを今季の目標に掲げており、この予選会は3位以内を目指してきました。
チーム戦の予選会ではチームメイト同士が固まって走る"集団走"という戦法をとるチームが多いなか、立教大は「去年、集団走をやってうまくいなかった」という選手の声があったことから、その策をとらず。「3グループぐらい目安は設けるけど、当日のレース状況を踏まえて、自分で考えてレースをマネージメントするようにと選手たちにはお願いしました」と高林監督は12人の選手を送り出しました。
入りの5キロは、(上位10人の合計タイムが)6番目で通過。「動きや状況を見ていたら、ちょっとやばいかなと思った」と高林監督は振り返りますが、その心配をよそに序盤から好位置に付けます。10キロで首位に浮上すると、その後も快調にレースを展開。2位の専修大学に1分超の差を付ける盤石なレース運びで、結果発表では真っ先に立教大学の名が読み上げられ、選手たちは歓喜。3年連続30回目の本選出場を決めました。
立教大学は2年前、6位で実に55年ぶりとなる本選出場権を獲得。学生主体で挑んだ前回も6位通過でした。そこから一気にジャンプアップし、新体制となった今回はトップ通過を成し遂げました。
チーム内トップは15位(日本選手3位)の馬場賢人選手(3年)です。「今まで絶対的なエースがいないという課題があったが、馬場がある程度上位校の選手たちと勝負できたことは収穫でした」と高林監督は馬場選手の好走を称えていました。
馬場選手にとっても収穫の多いレースと振り返ります。「チーム内トップは、前々から目標にしてきました。そのなかで順位も付いてきたのは、自分にとっても大きなプラスになりました。この暑いなか、後半も特に大崩れすることなく、先頭のほうで戦えたのが良かった」と充実感をにじませました。
立教大は、5月の関東インカレ(2部)のハーフマラソンで5位入賞を果たした稲塚大祐選手(4年)が万全ではなく予選会を回避。箱根駅伝本大会に向けては、まだまだ上積みできる部分がありそうです。
101回目の箱根駅伝では"立教旋風"が巻き起こるかもしれません。