駒澤・田澤廉はトヨタ自動車 青学・近藤幸太郎はSGホールディングス 箱根駅伝を走った4年生の進路#1
■駒澤大 田澤は卒業後も大八木監督と世界へ 主将の山野は九電工
今年の箱根駅伝を制し、史上5校目の大学駅伝三冠を成し遂げた駒澤大学。
大エース・田澤廉選手は、実業団の強豪・トヨタ自動車に入社します。拠点は東京のままで、卒業後も恩師である大八木弘明監督(4月から総監督)の指導を受ける予定です。昨年の世界選手権に出場した田澤選手は、パリ五輪での10000m入賞を目標に掲げており、恩師とともにさらなる飛躍を目指します。
最強のチームを主将としてまとめた山野力選手は九電工へ。駒大の先輩であり、東京五輪男子マラソン補欠だった大塚祥平選手とチームメイトになります。
また、箱根では出番がありませんでしたが、東山静也選手は、地元・富山のYKKで競技を続けます。
一方で、副主将を務め、今年の箱根駅伝では1区2位と好スタートを切った円健介選手は、卒業後は一般企業に就職。大学で競技生活に区切りを付けます。
■中央大 4年連続6区の若林は花王へ
箱根駅伝で2位となり、名門復活をアピールした中央大学。
その主将を務め上げ、箱根駅伝で4年連続で山下りの6区を好走した若林陽大選手は花王へ。カネボウ時代にニューイヤー駅伝で優勝4度を誇る名門で、高岡寿成監督のもと、競技を続けます。
若林選手と共に1年時から箱根ランナーとなった千守倫央選手は、1年先輩の三浦拓朗選手がいる大塚製薬に進みます。
アンカーとして総合2位のフィニッシュテープを切った助川拓海選手は安川電機へ。2013年のモスクワ世界選手権に藤原正和駅伝監督と共に出場し、ロンドン五輪6位入賞の実績がある中本健太郎監督の指導を受けます。
箱根で2年連続8区を担った中澤雄大選手は、地元の福島県に帰り、須賀川市役所に勤務。集大成のレースを走り終え競技を引退します。
■青山学院大 9人が競技を継続
青山学院大学の4年間でめきめきと力を付け、大エースに成長した近藤幸太郎選手はSGホールディングスへ。先輩の鈴木塁人選手も在籍するチームで世界を目指すことになります。
また、昨年の箱根9区で区間新を打ち立て、金栗杯(MVP)を手にした中村唯翔選手もSGホールディングスに進み、大学卒業後も近藤選手とチームメイトになります。
近藤選手とWエースとしてチームを引っ張り、今年の箱根で9区区間賞を獲得した岸本大紀選手は、青学大のOBも数多く在籍しているGMOインターネットグループへ。
2月の別府大分毎日マラソンで20年ぶりの日本学生新記録(2時間7分47秒)を打ち立てた横田俊吾選手はJR東日本。昨季の三大駅伝全てで1区を担った目片将大選手は大阪ガスに進みます。
また、主将を務めた宮坂大器選手はヤクルト、関口雄大選手は小森コーポレーション、関東インカレハーフマラソンで2年連続表彰台の西久保遼選手は九電工、畦地貴斗選手は日本発のランニングウエアブランドELDORESOと、箱根を走れずとも、多くの選手が卒業後も競技を続けます。
その一方で、今年の箱根駅伝で山を担った脇田幸太朗選手(5区)、西川魁星選手(6区)、3年連続で10区を走った中倉啓敦選手は、大学で競技を終えます。
■國學院大 中西大翔は歴代の先輩が待つ旭化成へ
今年の箱根駅伝はケガで走れなかったものの、國學院大學の主将としてチームを支えた中西大翔選手は、実業団の名門・旭化成に入社。同チームには、中西選手の大学1年時に主将を務めていた土方英和選手や1学年先輩の藤木宏太選手がおり、再びチームメイトになります。
また双子の兄・唯翔選手は、NTTビジネスアソシエ東日本で競技を続けます。
今年の箱根で9区を担った坂本健悟選手はプレス工業へ。出身高校(藤沢翔陵高)がある神奈川県藤沢市で再び競技に励みます。
箱根6区で活躍した島崎慎愛選手はスーパーマーケットを展開するサンべルクスに進みます。
一方、昨季主力として箱根駅伝でも4区4位と活躍した藤本竜選手は、著しい成長を見せていましたが、大学で競技を終えます。
■順天堂大 "令和のクインテット"はそれぞれの道へ
順天堂大学の長門俊介駅伝監督が“令和のクインテット”と称した野村優作選手、伊豫田達弥選手、四釜峻佑選手、平駿介選手、西澤侑真選手の5人は、そろって強豪の実業団に進み競技を継続します。
2年時に花の2区を担った野村選手はトヨタ自動車、3年連続3区の伊豫田選手は富士通、2年連続5区で好走した四釜選手は日立物流、今年8区3位の平選手は九電工、4年連続箱根を走り今季の主将を務めた西澤選手はトヨタ紡織と、卒業後はそれぞれの道へ。大学在学中は切磋琢磨しながら優勝候補に挙がるまでにチームの立て直しに成功しましたが、今度はライバルとして競い合うことになります。