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【カープ・新井の言葉】中継ぎ転向で拓けた未来 黒原拓未投手の可能性を信じた指揮官の言葉とは

2024年10月8日 15:52
【カープ・新井の言葉】中継ぎ転向で拓けた未来 黒原拓未投手の可能性を信じた指揮官の言葉とは

『新井の言葉』として、カープの新井貴浩監督のポジティブな言葉と、その真意を受け取った選手との絆から、チームの強さの秘密を深掘りします。5回目は、先発から中継ぎへ転向し、粘り強さでチームに貢献している黒原拓未投手です。

チームの勝利を支える層の厚い投手陣の中で存在感を見せているのが、3年目の黒原拓未です。2024シーズン途中から中継ぎに配置転換されると、プロ初の50試合登板を達成。シーズン完走も目前となっています。

■カープ 黒原拓未投手
「なんとか必死に食らいついてじゃないですけど、粘り強く戦おうっていう意識が自分自身もそうですし、チームでも感じられるところはあると思うので、最後の粘り強さを出して、いい結果を迎えられたらという気持ちで、今は試合に臨んでいます。」

『新井の言葉』でついた決心

2021年にドラフト1位で入団した黒原は、2023年途中から先発に転向しました。一軍に定着することはかなわなかったものの、ウエスタン・リーグ最高勝率投手に輝くなど、成長の跡を見せました。そこから勝負の3年目へ。秋と春のキャンプでアピールに成功し、開幕ローテーション争いにも名を連ねます。シーズン開幕直前、右ひじの違和感を訴えた森下に代わって、開幕第2戦のマウンドを託される形で開幕1軍入りします。そんな黒原に指揮官が言葉をかけたのは、4月7日中日戦でした。2024シーズン2試合目の登板で、5回1失点のピッチングをした後のことでした。

■カープ 黒原拓未投手
「森下さんのひじの状態が良くなっているので、変わるっていうのはある程度想定できていたんですけど、監督さんから「今日の試合ですごくボールも、すごいよかったし、これでまたファームで準備するのも、もったいなって思ってる。」って言ってもらえた。」

■カープ 新井貴浩監督
「彼は、キャンプからすごく良いボールを投げていたんですよね。オープン戦も結果を出して、そこは先発投手とブルペンの台所事情ということで、外さないといけない状況になったんですよね、先発を。そのときに、どうしてももったいないと思ったんですよね。彼のボールがですね。」

監督自身の目で成長を見ていたからこそ出た言葉。そこで黒原の可能性を信じ、ある提案をしました。

■カープ 新井貴浩監督
「先発をやりたいのであれば、少しファームで待機してもらわないといけない。でも、こっちとしてはもったいないから、おまえがブルペンに入ってもいいと思うなら、ブルペンに入れたい。どうだ?っていうふうに。」

■カープ 黒原拓未投手
「(先発を外されるのは)悔しいですけど。自分的には一番、自分のボールに対しての自信にもなりましたし、自分も一軍でどういうポジションでも関係なく、思い切り腕振ってチームに貢献しようっていう風には思えたので。」

先発の調整期間が、プロ初勝利へ

中継ぎとして一軍に残る選択をした黒原は、4月12日に新たなスタートを切ります。巨人のクリーンアップに対し、4番・岡本から三振を奪うなど三者凡退。さっそく新井監督の期待に応えました。そこからイニングまたぎなど様々な場面で結果を残し、首脳陣の信頼を勝ち取ります。そして、プロ通算32試合目の5月25日・DeNA戦。念願のプロ初勝利を挙げました。

■カープ 黒原拓未投手(5月25日ヒーローインタビュー)
「(新井監督に)『おめでとう』と言っていただいたので、これからも監督の起用に応えられるように、しっかりと結果を残していきたいと思います。」

結果を残せている要因として、先発の調整期間があったことも関係していると本人は分析します。

■カープ 黒原拓未投手
「元々、しっかり腕を振るタイプのピッチャーなんですけど、そこをより思い切ってというか。短いイニングなんで、そこで出しきれるようになったので。ボールの強さだったり、球速っていうのは戻ってきましたし、先発も少しやったことで、変化球でゾーンの中でカウント取れたりっていうのも、少しはできるようになってきてたので。そこ(中継ぎと先発)が合わさって、今年どっちもできつつあるのかなとは思いますね。」

先発・中継ぎ両方の経験を生かし、ポジションをつかんだ黒原に、指揮官も大きな期待を寄せます。

■カープ 新井貴浩監督
「すごく練習の態度も真面目ですし、性格ももちろんいいし、練習も一生懸命やる子なので、まだ伸びていくピッチャーだと思います。今後も重要な存在として、こちらも期待しています。」

新井監督の言葉で、自らの未来を切り拓いた3年目のシーズン。かけられた期待に応えるべく、これからも腕を振り続けます。

■カープ 黒原拓未投手
「その言葉があって今、毎試合毎試合、自分の投球ができているというか、すごく自信のあるピッチングができてるかなと思います。自分にとっては初めての経験ばっかりですけど、そこでいろんな経験をして勉強しながら、コツコツ勝ちを積み重ねていけたらなと思います。」

黒原拓未投手にかけられた『新井の言葉』は「ファームで準備するのはもったいない」でした。ファームは「これから成長過程にある選手の鍛錬の場」「故障した選手などの調整の場」「そこに実績のある選手がいつでも変わることができる供給の場」の3つの側面があると思われます。新井監督は、黒原投手には「供給」という形で待機させるのは「もったいない」という考えでした。それに対して黒原投手は「一軍の力になりたいです」と答えたと言います。黒原投手が様々な環境で様々な経験をしてきたその全てが、黒原投手の幅を広げて力になり、一つ一つ勝ちに繋がっていると思います。今後のさらなる活躍に期待です。

【2024年10月1日 広島テレビ「テレビ派」で放送】

最終更新日:2024年10月8日 15:52
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