新井カープ 下馬評を覆す躍進 指揮官と参謀に迫る「5つの真相」【5】
指揮官と参謀に迫る5つの真相。最後は新井カープ2年目に向けて。
シーズン終了後、西川龍馬がFA権を行使しオリックスへ移籍した。
■西川龍馬選手
挑戦したいっていうのがあって、そのことを正直に常務と監督に伝えました。
2023年シーズン、リーグ2位の打率をマークした主軸を欠くことになった。外野の枠が1つ空くなか、シーズン終盤にブレイクした末包、さらに1軍デビューを果たし存在感を放った田村などの台頭が期待される。また外国人選手は2023年シーズン、チーム最多の50試合で4番を務めたマクブルーム、チームトップの19HRを放ったデビッドソンが退団。新たに加わるシャイナー、レイノルズの打線での役割にも注目が集まる。投手陣では、ドラフト1位で指名した大学ナンバー1右腕・常廣、さらに秋季キャンプでアピールした2022年のドラフト1位・斎藤など若ゴイたちの成長にも期待がかかる。
■新井監督
龍馬の抜けた穴っていうのはね、そう簡単には埋まらないよね。特にピッチャーと野手だったら野手の方が時間 かかるしね。ましていいバッターだったんで、じゃあ龍馬の穴がすぐ来年埋まるか、っていったらこれは埋まら ないよね。ただ若い選手もこの秋季キャンプでも目の色変わってたよな、本当に。なんか喜んでたっていうか、そりゃ寂しいのはあると思うんだけど、なんか「よっしゃ俺が空いたところを取りに行くぞ」っていうね。
■藤井コーチ
それがねプロ野球やし。1人ね誰か出てきてくれたら、ってすごい思うけど。そういう子らがいっぱいおるからね。その可能性というか、みんなで奪い合ってほしいね。
■新井監督
ほかの周りの選手たち、若手じゃなしに中堅どころもね、崇(上本)だって堂林だってそうだし。若手だけじゃなしに「よしあそこ空いたぞ」ってみんながみんな思ってると思うし。そこでまた競争が生まれてね。またチームにその勢いをもたらしてくれるだろうって期待してるよね。
Q.期待する選手は?
■藤井コーチ
いやそれはもう、名前出してあれっていうのは本当になく、奪い取るもんだと思うので、来年オープン戦からそこでしのぎ削ってやると思うんですけど、そこでチャンスをものにした選手、みんなが平等にチャンスがあるわけではないと思うんですけどね。その中でも目立って活躍してアピールした選手が取っていくもんだと思うんで、本当にみんなに期待してる、楽しみなキャンプになるんじゃないかと思いますね。
■新井監督
名前っていうのは本当にね、誰を言ったらいいか分からないぐらいま全員に期待してるね。新しく常廣はじめ新たに加わってくれるみんなもそうだし、昨年成長した選手、野手だったら羽月にしてもそうだし、矢野にしてもそうだし、田村・末包とかね。あと秋のキャンプ、(中村)健人とかもすごく頑張ってたしね。二俣もいるし、久保も2年目で。本当にこの秋のキャンプでみんないいもの見せてくれたよね。目の色変わってたし。全員に期待したいし、「誰が出てくるんや、出てこいよ」みたいな感じよね。特に末包・矢野っていうのは、この秋のキャンプ引っ張ってくれたね。
■藤井コーチ
最後のロングティーがすごい印象的だったって話もしたけどね。あれを見てちょっと感動したというか。ロングティーをやっ てる先輩方の姿を若い子が見て、何かを感じたんじゃないかっていう話をしてたんですけど。いい光景だったなというか。
■新井監督
ハイライトかなという風に、それぐらい目に焼きついてるね。みんな終わってるに2人がね、ずっと1時間ぐらい打ってたもんね。末包と矢野って、ちょっとキャラ的にもね、ちょっかいじゃないけど、自分も見ててちょっとグっと来るものがあって、軽い声かけられなかったよね。
■藤井コーチ
「俺らが引っ張ってやっていく。レギュラーを取る」っていうすごい気持ちを感じたかなと思って。
期待が高まる新井カープ。2年目に向けた2人の決意とは。
■藤井コーチ
いやもうそれは一言で「勝ちたい」。もうそれしかないですね。今年何年かぶりにAクラス入ったって言われても、僕はそういう風に一切感じなかったというか、CSをマツダでやっても、あれはファーストステージだったので、あそこでファイナルステージを。選手もみんなそういう気持ちでいてますし、やっぱりてっぺん、優勝をね来年のスローガン「しゃ!」でね。みんなで喜べるように本当にしたい。僕も今年すごいドキドキして選手に楽しませてもらった。ファン方にも本当に勝って喜んでもらいたいですし、本当になんとか(新井監督を)胴上げしたい。
■新井監督
みんなで喜び合いたいですよね。普段から家族的なっていう表現させてもらうんですけど、現場の選手、ヘッド含めたスタッフ、カープ球団の関係者だけじゃなく、ファンの方と全員で喜びたいと。最高に喜びたいし、また喜ばせてあげたいっていうのがあるので、そのためには全身全霊をかけてというか、最高の2年目にしたいなと思ってます。
新井カープ元年。軒並み下位予想の下馬評を家族一丸で覆して見せた。指揮官と参謀は常に選手と向き合い、強い覚悟を持ってチームを率いた。就任会見で掲げた「ワクワクする野球」を体現し、ファンの心を踊らせた。しかし、2人が見据えるのはまだ先の景色。2024年シーズンはどんな戦いを見せてくれるのか。新井カープの物語は、まだ始まったばかり。