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高校ラストイヤー 日本一目指すカヌー選手 富山北部高

2024年5月23日 19:21
高校ラストイヤー 日本一目指すカヌー選手 富山北部高

高校スポーツ最大の大会、インターハイへとつながる県高校総体に出場する注目選手を紹介します。23日は高校ラストイヤーで初の日本一を目指すカヌーの選手です。

ヨーロッパで高い人気があり、激しく水しぶきをあげて進んでいくそのスピード感と迫力から、「水上のF1」とも称されるカヌースプリント。18歳以下日本代表に選ばれているのが、富山北部高校3年の酒井海倫選手です。いよいよ今週末、最後のインターハイに向けて県高校総体に臨みます。

富山北部高校3年 酒井海倫選手
「カヌーは小学3年生の時から競技続けているんですけど、日本一っていうのは1回も取ったことがないので」「そこを目指して頑張っていきたい」

経験者だった親戚の影響でカヌーと出会った酒井選手。これまで何度も全国の舞台を経験していますが、最高成績は3位。2023年、2年生で出場したインターハイや国体でも、いずれも4位入賞を果たしましたが日本一には届きませんでした。

高校ラストイヤーを迎えた酒井選手。指導するカヌー部の松﨑監督は、彼の最大の武器を世代屈指のパワーが生み出す「ひと漕ぎの推進力」だといいます。筋力がスピードに直結するカヌー。176センチ・82キロの恵まれた体格を持つ酒井選手は、ひと漕ぎで掴める水の量が多く、その水の重さに負けることなく素早くパドルを引くことができます。これが大きな推進力となり、高校年代トップクラスのスパート力につながっています。

「水ってすごく重くて、そこでパワーがある選手はスタートとか漕いでいる時に有利になるので。特にスタートとかの瞬発力が必要なところで(パワーは)必要になってくる」

2023年、より速くなるために。地道な筋力トレーニングを積んできました。取材したこの日は、ベンチプレスでマックス120キロを持ち上げ、2023年の冬から自己最高記録を15キロも更新しました。文字通りパワーアップした酒井選手ですが全国の頂点に立つには強力なライバルを超えなければなりません。

「滋賀県の中岡誠琉君ですね。中岡君は、出る大会で全部1位取るすごい強い選手で」

滋賀県北大津高校3年の中岡選手は、2023年のインターハイで個人2冠、酒井選手も出場した2024年3月の代表選考会でも、圧倒的な速さで優勝したこの年代の絶対王者。酒井選手は過去一度も勝利したことがありません。それでも。

「日本一は、全員があこがれる存在だと思うので。自分もそのレベルになりたいというか1回は立ってみたい。(日本一は)自分の中では遠いんですけど、強くなるには練習しかないので、毎日頑張るしかないと思ってます」

競技人生初の頂点を目指して県高校総体のカヌー競技はあさって シングル、5月26日にペアとフォアが行われます。

酒井選手の強みは、課題や苦手なことから目を背けずに努力し続けられるところです。7月中旬にはブルガリアで開催されるジュニア世代最高峰の大会に日本代表として出場します。酒井選手の今後の活躍に注目です。

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