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【特集】プロ野球ファームリーグ参加へ 新潟アルビBCの”第2章” 急ピッチで準備 球団職員に密着《新潟》

2023年11月19日 13:05
【特集】プロ野球ファームリーグ参加へ 新潟アルビBCの”第2章” 急ピッチで準備 球団職員に密着《新潟》

プロ野球の独立リーグを戦ってきた「オイシックス新潟アルビレックスBC」が新たな挑戦を始めています。来シーズン、プロ野球「ファームリーグ」参加が内定しています。新たなスポンサー、そして球団運営の課題は。急ピッチで準備を進める球団職員に迫ります。

プロ野球1軍の舞台へ、夢を追い続けました。

新潟アルビレックスBC 中西啓太さん
―この(エコスタジアムの)マウンドってどんな場所?「やっぱり自分の青春ですね」

アルビBCの元エース中西啓太さん。現在は球団職員として営業や野球道具の管理などを担当しています。

新潟アルビレックスBC 中西啓太さん
「お力添えを頂く企業を増やさないといけないので、そういう意味では常にアンテナを張っていますし、用具のことに関しては非常に電卓をたたく機会が多くなったと思いますね。計算苦手なんですけど(笑)」

2015年に入団した中西さん。長身から繰り出す速球とキレのある変化球で1年目から地区優勝に貢献しました。しかし、ドラフト指名されず2019年に引退。球団職員として再スタートを切りました。今では担当する企業も増えてきました。

新潟アルビレックスBC 中西啓太さん
「選手数も増えますし、試合数が増えるということで、消耗品のアイテムも消費が激しくなってくるというところで大きく見積もっておかなければいけないです」

ファームリーグに参加表明 

中西さんをはじめ、球団の状況が大きく動き始めました。今年4月、日本野球機構がプロ野球の2軍リーグを拡大し新たな球団を公募すると発表。アルビBCが手を挙げたのです。

新潟アルビレックスBC 池田拓史社長
「ファームリーグへの参加が実現できるようにエントリーの準備を進めていきたい」

ファームリーグとは?

ファームリーグはプロ野球の2軍3軍にあたるリーグ。アルビBCが参加する予定のイースタン・リーグには巨人や日本ハム、楽天などが所属していてアルビBCが参加すると8チームに。試合数は年間およそ140試合、現在の2倍以上となります。

ホーム球場や経営状況をめぐる審査の末、ことし9月、プロ野球のオーナー会議でファームリーグ参加が内定。チームの編成や新たなスポンサーの獲得など急ピッチで準備を進めています。

新潟アルビレックスBC 池田拓史社長
「最初は少し年齢的に重ねている選手も含めて、元NPB(プロ野球)の選手、あるいは外国人の選手、そういった補強を積極的にやりながら」

経営を安定させるため現在の2億円から、3倍の6億円以上まで事業規模を拡大したいといいます。

来季、バットは1人何本必要?

元エースピッチャーで球団職員の中西さん。この日、来シーズン使用するボールやバットなどについてメーカーとの商談です。これまでは選手1人あたり年間約15本のバットを支給してきたといいますが。

メーカー担当者とのやりとり
「ファームの選手が普通に1年間やったとした場合でやっぱり40、50本は平気で行きます」
「40、50本、ちょっと恐ろしいなぁ」
「球も速くなって相手チームのピッチャーのレベルも上がってくると、確実に折れる本数は増えます」

選手に気持ち良くプレーして欲しい。一方で2万円を超える木製バット。選手40人が年間で40本以上使うとなると…思わず懐事情を考えてしまいます。

橋上監督は選手の意識改革に努めてきた

一方、現場では。来年も指揮を執る橋上監督は今シーズン、選手の意識改革に努めてきました。

新潟アルビレックスBC 橋上監督
「BCからNPB(プロ野球)に行ったとしたって、走られるピッチャーは使い物になんないよ。絶対に必要な条件だから、ピッチャーとしてランナーを止めるということは」

ドラフト指名されるチャンス広がるか

今年のドラフト会議。アルビBCは伊藤琉偉選手がヤクルトから5位指名されました。ファームリーグへの参加はドラフト指名を目指す選手にとってチャンスが広がるといいます。

新潟アルビレックスBC 橋上秀樹監督
「ピッチャーが抑えてもバッターがBCリーグだから。バッターがいっぱい打ってもBCリーグのピッチャーだから、となると、数字通りの評価をしてもらえない。今まで日の目を見なかった選手が、正しい評価をされる可能性が高いので、来シーズンは今年以上に沢山の選手がドラフト指名される可能性が高い気がします」

オイシックスとスポンサー契約

多くの選手をより高いステージへ。10月、アルビBCは、食品宅配サービスを展開する「オイシックス・ラ・大地」とメインスポンサー契約を結び、球団名は「オイシックス新潟アルビレックスBC」に。材料となる食材を宅配して手軽に調理できる商品が人気で、選手たちを“食”で支えたいとしています。

オイシックス・ラ・大地 前田有香さん
「ミールキットや冷凍のお弁当などで選手の日常の生活を支えたり、簡単にでもおいしく、さらに体づくりにもつながるようなサポートができたらと思っています」

次のステージへ挑む

球団職員として支えるアルビBCの元エース中西啓太さん。球団が運営する教室で子どもたちに野球の楽しさを伝えています。創設17年目。乗り越えるべき課題は少なくありませんが、選手も職員も、球団が一丸となって次のステージに挑みます。

新潟アルビレックスBC 中西啓太さん
「若い選手の泥臭くやる姿を一緒になって応援してくださいと皆さんにお願いするんですけど、新潟の野球界を私一人では微力ですけど、支えられるような球団の一人間でありたいと思います」

ファームリーグの参加へ。アルビBCの“第2章”が始まります。


2023年11月16日「夕方夕ワイド新潟一番」放送より
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