【特集】プロ野球ファームリーグ参加 選手と職員の“全員野球”で開幕へ オイシックス新潟アルビBC《新潟》
2024年、プロ野球の2軍ファームリーグに参加するオイシックス新潟アルビレックスBC。独立リーグから新たなステージへ。選手、球団職員が一丸となって開幕へ向け走り出しています。
オフにアルバイトで生計たてる選手
タイヤを見つめる真剣なまなざし。オイシックス新潟アルビレックスBCの藤原大智選手です。シーズンオフの秋から冬はアルバイトをして生計を立てています。
オイシックス新潟アルビBC 藤原大智選手
「この期間(オフシーズン)は、それほど球団からはシーズン中のようにはお金が出ないので。こういう期間はバイトをして自分の生活、生計を立てていかないといけない感じですね」
夢を叶えるため
独立リーグの給料はシーズン中でも1か月で15万円ほど。厳しい環境に身を置くのは「プロ野球1軍でプレーする」、そんな子どもの頃からの夢を叶えるためです。
1月、藤原選手の姿は地元・兵庫県にありました。
俊足が持ち味の藤原選手。1年間、戦い抜くために下半身の強化は欠かせません。プロ野球2軍への挑戦を大きなチャンスと捉えています。
オイシックス新潟アルビBC 藤原大智選手
「2軍ですけど、NPB(プロ野球)に参戦するというので。チャンスをつかみに行くというギラギラした目とか、そういう姿勢を見てもらいたい」
ファームリーグとは
2023年、日本野球機構がプロ野球2軍リーグを拡大し、新たな球団を公募すると発表。アルビBCが手を挙げ、プロ野球オーナー会議で参加が認められました。
ファームリーグはプロ野球の2軍3軍にあたるリーグ。オイシックスは巨人や日本ハム、楽天などがいるイースタン・リーグへ。ウエスタン・リーグには静岡のハヤテ223が新たに参加します。
NPB経験ある選手を獲得
試合数は年間およそ140試合。これまでの2倍以上です。そこで、球団では。
オイシックス新潟アルビレックスBC池田拓史社長
「NPBで経験のある選手も数名獲得ができればと動いている」
プロ野球での経験が豊富な選手を獲得するなど、チーム編成を進めてきました。
高山選手「一番はNPBに復帰」
注目のひとりが、阪神を戦力外となった高山俊外野手。2015年のルーキーイヤーには新人王を獲得しました。
新加入 高山俊選手
「プロの選手と対戦しながら僕の実力をまた上げていって。一番はNPBに復帰するというところなので」
薮田投手「チームに貢献したい」
また、広島から戦力外通告を受けた薮田和樹投手も実力者。2017年には「最高勝率」のタイトルを獲得しています。
新加入 薮田和樹投手
「目に見える勝利数や投げるイニングなど、いろいろな意味でチームに貢献できるように(したい)」
事業規模6億円以上に
多くの選手を獲得し長いシーズンを戦い抜くために不可欠なのは「安定した経営」。事業規模は、これまでの2億円から3倍となる6億円以上にまで拡大したいといいます。
そのキーマンとなるのが・・・。
球団職員も勝負の1年
この日、神社を訪れたのは、営業を担当する辻和宏さんと中西啓太さん。球団職員にとっても“勝負の1年”です。「お守り」を買って飛躍を誓う辻さん。
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「無事にシーズンを迎えられるようにというお願いと、やるからにはというところで、やっぱり勝つというところも。必勝祈願も含めて」
3月の開幕へ向け、急ピッチで準備を進めてきました。
日程や球場の調整が大変
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「日程を決めていくにあたって、自前の球場がないファーム球団なので。各野球団体の大会の利用とかの調整、かつNPBのスピード感、日程をここまでに決めなければいけないという会議をします。そこに間に合わせるように調整していくのは思ったよりも難しかった」
チーム編成やユニフォームのデザインなどのチームのことだけでなく、日程や球場の調整など多くの対応に追われる日々。
多くのスポンサーがこれまで以上のサポート
この日は新潟市西区の企業に「新年のあいさつ」です。完成間近となっているユニフォームの新たなデザインを報告しました。戦うステージが変わる2024年、スポンサーとなる多くの企業がこれまで以上のサポートを決めているといいます。
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「ファームってだいたい、12球団が8億円くらいで、ミニマムでやっているらしいんですね。そこに(選手の)人件費は入っていないのですよ。すぐには厳しいということで、ことし予算を組んだのは6億円という形で」
スポンサー企業 クラフティ 鶴間敏治さん
「だいぶ増額はできている?」
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「まだ未達ではあります。ただ興行収入とか」
スポンサー企業 クラフティ 鶴間敏治さん
「いままで興行していなかったの?」
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「興行としてはやってはいましたけど、興行収入って年間の予算の売り上げの中の本当に一部。お恥ずかしながら一部でしかなかったのですけど、今後は球場に集客して(いきたい)」
スポンサー企業 クラフティ 鶴間敏治さん
「すごいガムシャラに選手たちが頑張っている。あの姿は私たちにも刺激になるので、そういうプレーをどんどん見せてもらいたい」
「お力添えいただける企業を増やす」
2か月後のシーズン開幕へ向け球団職員も含めた全員野球で新たなステージに臨みます。
オイシックス新潟アルビBC 総合営業部 中西啓太さん
「まだまだお力添えいただける企業を増やさなければいけないですし。開幕までにもうひと踏ん張り、もうひと声、力を出せればと思っています」
オイシックス新潟アルビBC総合営業部 辻和宏部長
「2月以降のキャンプイン、それから開幕に向けてきちんとチーム作りをして、どんな試合が届けられるのかを楽しみにしてほしい」
「チャンスでしかない」
地元・兵庫県で調整を続ける藤原選手。いつかプロ野球1軍へ。長年の夢をかなえるべく走り続けます。
オイシックス新潟アルビBC 藤原大智選手
「相手がBCリーグのピッチャーだったら、どれだけ打ってもという(評価の)基準にも満たないと思うので、ファームリーグに入ってそこのピッチャーから打てばそれなりの評価になりますし。自分たちからしたらチャンスでしかないと思っているので」
2007年にスタートしたBCリーグ。アルビBCの選手やスタッフが歴史を刻んできました。そして・・2024年、オイシックスとして新たなステージへ。夢へと向かう選手、職員の挑戦から目が離せません。
2023年1月16日「夕方ワイド新潟一番」放送