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旅館や飲食店にキャンセル相次ぐ 能登半島地震で北陸全体に自粛ムード コロナ禍よりも売上減

2024年1月22日 19:30
旅館や飲食店にキャンセル相次ぐ 能登半島地震で北陸全体に自粛ムード コロナ禍よりも売上減
観光客の姿がまばらな東尋坊=22日正午・坂井市三国町

能登半島地震の波紋は県内の観光業界にも広がっています。越前がにシーズンで今が書き入れ時の坂井市内の旅館や飲食店ではキャンセルが相次ぎ売り上げはコロナ禍よりも落ち込んでいます。(1月22日)


■東海佳奈子キャスター リポート
「本来ならば冬のカニのシーズンで盛り上がるけれど、東尋坊の通りには観光客の姿がまばらとなっている。店の人によると例年の10分の1ほどの人出」

昼どきの東尋坊。日本海を一望できるレストランはこの時期、平日でも観光バスが5~6台やってきて賑わうそうですが、22日は駐車場に観光バスの姿はありませんでした。

■店の人
「コロナ以上に少ない。やっとコロナから解放されて地震の前までは本当に増えた。私たちも喜んでいた」

あわら温泉の宿泊客やスキー客が東尋坊に立ち寄るというケースもあるものの、常連客や国内外からの団体客の多くから予約のキャンセルが相次ぎ、東尋坊観光協会によりますと地震以降の観光客数は、コロナ禍だった去年と比べても7割ほど減っているということです。

■大阪から旅行に来た家族
「東尋坊、人が少ないなと。来る前は大丈夫?と友人知人に言われたけれど、逆に行かないことによって旅館とか売り上げ下がってしまうんじゃないか。楽しみたいなと思って来た」

■おおとく 大徳真一代表
「1月で64名、2月で10名、3月で2名8(のキャンセル)。これは15日現在ですから今もどんどん増えている状態」

東尋坊からも近い三国町内の民宿では、地震発生から半月であわせて21件・76人の予約がキャンセルとなりました。また地元の三国温泉組合によりますと、町内の20件の宿泊施設で298件・1253人分の予約がキャンセルとなっていて、本来ならば越前がにシーズンでいわゆる「書き入れ時」の今月の売り上げは大きく落ち込み、例年より約3割少なくなっています。

さらに今後についても懸念する声があがっています。

■おおとく 大徳真一代表
「新規のお客さんの入りが少ない。(3月に)新幹線が来てもどうなのかなという不安はもの凄くある」

いわゆる風評被害は飲食店にも広がっています。

■越前蟹の坊 森下一美さん
「1月2日から営業しましたが、7~8割がキャンセルの電話が続いていて中々厳しい状況」

大きな越前ガニのモニュメントが目印のカニ料理店でも、営業を再開した2日以降、地震に対する不安を訴える電話が多く寄せられ、予約の大半はキャンセルに。売り上げも去年の同じ時期と比べて半分以下まで落ち込みました。また予約のキャンセルによる食品ロスも懸念されますが、この店では来店者の数をにらみながら、東京の系列店へ発送したりカニの仕入れを調整したりと対応に追われています。

コロナ禍が落ち着いて初めてとなる冬の越前がにシーズン。さらに 2か月後には新幹線開業も控える中、県内の観光業界はまたしても苦境に立たされています。

■おおとく 大徳真一代表
「北陸に住んでいる私達が今一生懸命に頑張っていくことが後々の復興に繋がっていくと思う」
■東尋坊観光協会 阪本浩三会長
「東尋坊も以前ナホトカ号で風評被害でお客さんが減ったということがあった。東尋坊が頑張っていることを”北陸頑張っていますよ”と全国の人に一生懸命伝えて、お手伝いが出来ればと思っている」

地震の影響で北陸全域に広がる風評や観光客の自粛ムード。それでも苦境に立った今こそ北陸が1つになって経済を活性化させ、復興につなげようという思いが広がっています。

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