記録的大雨から1年半 休業が続く温泉施設「みのう山荘」再開に向け工事がスタート 再出発へ一歩 福岡
2023年7月の記録的な大雨で壊滅的な被害を受けた温泉施設が、福岡県久留米市にあります。被災からおよそ1年半、温泉施設は休業が続いていますが、12月23日にようやく、再開に向けた工事が始まりました。
23日午前10時すぎ、1台のトラックが久留米市田主丸町に入りました。
■阿部まみアナウンサー
「白い息が出るほど寒い中、きょうから工事が始まりました。当時、山の上から流れてきた石を解体し、運ぶ作業をしています。」
現在は更地となっているこの場所には、もともと日帰りの温泉施設がありました。久留米市の「みのう山荘」です。源泉掛け流しで、筑後平野を一望できる展望露天風呂が自慢でした。20年にわたり、観光客や地元の人に愛されてきました。
しかし、23年7月10日、記録的な大雨で施設の裏山が崩れ、内風呂と露天風呂の屋根が崩落。浴場は土砂に押し流されました。
「みのう山荘」の店長、安井那称子(ななこ)さん(30)です。
■みのう山荘 店長・安井那称子さん(30)
「建物が建っていく工事で、明るい気持ちになりますね。」
この1年半、みのう山荘の姉妹店で働きながら、2億円以上と見込まれる再建費用の工面に悩んできました。
資金の足しにと、オリジナルの手づくり石けんの販売も始めました。そんな安井さんを支えたのは、姉妹店にも足を運んでくれる常連客です。
■安井さん
「今でも募金箱や、石けんを購入して『頑張ってください』と言ってくれる方たちがいらっしゃるので、自分たちも頑張らないと、という思いで、やっぱり前向きに。」
多くの人からの再開を望む声や、行政への働きかけで県から補助金が得られることになり、みのう山荘はようやく再出発できることになりました。
■安井さん
「私たちの周りの方々のおかげで、諦めずにここまで歩んでこられたと思っているので、また以前と同じようにお客様の癒しの場所となれるように、すてきな施設にできるように考えていきたい。」
地元の人たちの思いに支えられ、再出発を果たしたみのう山荘。2025年中のオープンを目指しています。