武田真一さんが語る「子育ての秘訣」 アンケートで不登校の原因は"いじめ"より"先生"
(東島大記者)
今回は、熊本の2月のニュースを振り返ってみようと思います。2月は度重なるパワハラとか、公務員の不祥事が目立つ月でもありました。武田さん、目に留まったニュースは何でしょうか?
(武田真一さん)
やっぱり熊本城の復旧ですね。次世代の職人養成とありますけれども、どういうことなんでしょうか?
(永島由菜キャスター)
熊本城の修復はあと30年近くかかる見通しなんです。そのため、次の世代の職人の養成が必要になってきます。
【VTR】
石垣の周りに集まるのは石工や、石工を志す14人。熊本城の復旧に向けた人材育成の一環で行われました。使うのは、熊本地震で城が被災した後、保管されている石です。
城壁修復が専門の技能士が講師となり、参加者は、城壁に見立てて積まれた石を一つずつ丁寧にクレーン車で運んでいました。
■参加した24歳男性
「石の解体作業を学ばせていただきました。(熊本城は)熊本のひとつのシンボルだと思うので、なるべく早く復旧させて、元の熊本城に戻ってもらいたい」
■熊本城総合事務所復旧整備課 岩佐康弘課長
「熊本城の修復にはまだまだ28年かかりますので、技術をつないでいく必要があります。しっかりと技術をつないでいく、そういう環境づくりを熊本市もサポートしていきたい」
【スタジオ】
(武田真一さん)
少し前に、熊本城の屋根瓦のしっくいを修復する作業にあたっている若い職人さんを取材したことがあるんですけれど、やっぱり長い時間がかかる作業ですから、人材育成からやっていかないといけないっていうことなんですね」
(東島大記者)
武田さん、他に気になったニュースはありますか?
(武田真一さん)
不登校のきっかけが先生というのが驚きです。
(東島大記者)
不登校の原因が、「いじめ」より「先生」というニュースですね。これ見出しだけ見ても驚きがあると思うんですけれども、熊本県教委が、不登校の生徒児童とその保護者に行ったアンケートの結果なんです。
改めてご説明しますと、調査は去年の12月から今年にかけて行われました。その結果、「学校に行きづらいと感じ始めたきっかけはなんですか?」という問いに対して、一番多かったのが「体がきつい」ということだったんです。
ただ、これは大人で言いますと、うつとか抑うつの症状ですよね。いろんなことがあって体が動かなくなってしまう。ですから、そこに至るまでのもっと原因があるわけなんですね。
では、その2位以下の原因が何かということですが、中学生は「いやがらせ」や「いじめ」を抑えて「先生」、小学生でも3位に「先生」が上がっていたんです。
(武田真一さん)
「先生のこと」っていうのは、先生とあわないとか、先生から何か言われて傷ついたっていうことなのかなと思いますけれども、ちょっとこれ衝撃ですよね。
(東島大記者)
そうですね。これをどう見るのか、アンケートを分析する立場である熊本県の専門家会議の座長の熊本大学教職大学院の古田亮シニア教授に話を聞きました。
【VTR】
■熊本大学教職大学院 古田亮シニア教授
「SNSの普及などで、先生たちが非常に予想できないような、今までのマニュアルとかになかったような非常に多様な子どもたちや家庭の方がいるので、そこに全部にこうきちっと対応するっていうのは昔とはずいぶん違う。例えば、4月は"団結"とか言いがちなんですよね、 一致団結とか。それはは同調圧力を生むので、過度にすると嫌な子が出てくるんです。信頼関係を築いてない、特に4月はまだ難しいので、そのあたりを噛み砕きながら、寄り添いながら、なんでこういう状況になったか 聞いていかないといけないんですよね」
【スタジオ】
(永島由菜キャスター)
4月は特に寄り添っていくことが大切ということですけれども、武田さんはどのように思われますか?
(武田真一さん)
先生の側にも、おそらく忙しすぎてゆとりがない状況もあるのではないかと思うんですよね。私は去年、放課後カルテというドラマにちょっとだけ出演させていただいたんですけど、その中でも、先生が例えば授業の準備であるとか、家庭との連絡とか、いろんなプレッシャーにさらされて、とうとうこう気持ちと体がパンクしてしまうというエピソードがありました。その先生の余裕のなさみたいなものも、原因なのかなと感じました。
(東島大記者)
武田さんのお子さんは2人とももう成人されてると思いますが、もしまだ小さい頃に学校に行きたくないというようなことを相談されたら、どう答えますか?
(武田真一さん)
後から考えてみれば、学校で嫌なことがあったのではないかとか、下の子はちょっと先生とうまくいかなかった時期もあったようです。でも、なかなかそういうことは子どもが発信してくれないので、今となってはですけど、もうちょっとちゃんと学校の様子などを話すようにはしてたのですが、しっかり聞いておくべきだったなということもあります。でも、やはり一番大事なのは信頼だと思うんです。親と、あるいは先生と子どもの間の信頼で、何があっても自分のことを愛してくれるとか、親身になって指導してくれてるという、そういう心理的な安全性みたいなものが保たれていれば、多少のコミュニケーションの齟齬とか、ちょっとした感情のすれ違いがあっても、子どもたちはちゃんとついてきてくれるんだと思います。その辺りをどう構築していくかということですよね。
(東島大記者)
心当たりがありそうですね?
(武田真一さん)
まあ、高校生の時はちょっとあまり真面目な生徒ではなかったので、ちょっと校則違反をしてたこともあったんですが、その時にテニス部の顧問の先生が私をかばってくれたことがあって、大人でも話がわかる人っているんだなって思ったんですよ。それが、ゆくゆくは先輩とか上司に対する信頼感みたいなものにつながったような気がするんです。本当に一言だったんですけど、そういう瞬間がどこかにあるといいのかなと思います。
(東島大記者)
私、ちょっとびっくりしたことがありましてね。写真を持ってきたんですけど、何だと思いますか?実は太陽と地球と地球の模型なんですよ。月の満ち欠けの原理を子どもに教えるために、武田さんが手作りした模型なんです。
(武田真一さん)
そうなんですよ。ホームセンター行って、発泡スチロールの玉とかLEDの電球とか買ってきて、ほとんど僕の趣味なんですけど作って、子どもたちにこうだよって教えてあげたっていう、そういうものです。
(東島大記者)
息子さんの中学受験の時は、塾に通わせるかわりに武田さんが勉強を教えたとか。
(武田真一さん)
穴開き問題ってわかりますか?文章の途中に四角く穴が開いていて、そこを埋めれば勉強になるみたいなものを作って、子どもにやらせてましたね。でも、やはり子どもは親の思う通りにはならないんですよね。子どもたちが成長するのをじっと待たなきゃいけないっていう部分がたくさんあったなと思うんです。つまりそれが子どもを信じるっていうことだし、子どもを尊重する、子どもの考えを尊重する、すなわち、じっと待つっていうことなんだなということも学びました。
(東島大記者)
私は年こそ武田さんとほぼ同じですけども、子どもはまだ小学校に上がったばっかりなんです。今、武田さんみたいな父親になれるのかなって思いながら話を聞いていました。まずは自分にできることから頑張っていこうと思いますので先輩、よろしくお願いします。
(永島由菜キャスター)
ここまでDayDay.MCの武田真一さんとお伝えしました。