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「ヤギがやって来た!」減少する学校での動物飼育「命の大切さを学んでほしい」飼育を始めた小学校

2024年11月20日 19:33
「ヤギがやって来た!」減少する学校での動物飼育「命の大切さを学んでほしい」飼育を始めた小学校

教育効果が期待される一方、動物の世話にかかる学校の負担が大きいことなどから、熊本市内では動物を飼育する小学校が減少しています。そんな中、ヤギの飼育を始めた小学校があります。その現場を取材しました。

11月5日、熊本市東区の託麻南小学校に、ヤギの親子がやって来ました。お母さんのトモ(4)と双子の子どものアナ(1)、エルサ(1)。来年3月までの期間限定でヤギを飼育している農家から借り、お世話をすることになりました。

■男子児童(1年生)
「なんかワクワクとか、ドキドキとか」
■女子児童(1年生)
「仲良くなって、ヤギさんに優しくできる人になりたい」

子どもたちとヤギとの生活が始まりました。しかし、さっそく…。
■男子児童
「1匹いなくなってます!」
■先生
「本当に?」
■男子児童
「どこかわからん」
■先生
「1、2、だろ?あともう1匹は?…いるいるいる!寒かったのかな?あ~、びっくりした~!」
■いなくなったヤギ
「メェ~!」

平日の朝と昼のお世話は、主に1年生が担当します。エサやりや小屋の掃除は、児童が当番で行います。初めてヤギの小屋を掃除しました。大きなフンのかたまりを見つけました。
■男子児童(1年生)
「え?え?え?何これ?」
■男子児童(1年生)
「ふしぎ」
■先生
「ふしぎね」

ヤギにエサを与える時も。
■男子児童(1年生)
「めっちゃ早い、食べる」
■男子児童(1年生)
「先生、見てていい?」
■先生
「いいよ」

ほとんど見られなくなった学校での動物飼育

動物の飼育は、生き物への親しみや命の尊さを五感で学べる場とされていますが、実は、こうした“学びの場”は熊本市内ではほとんど見られなくなっています。

熊本市教育委員会によりますと、市内の公立小学校95校のうち、ウサギを飼育しているのは4校、ニワトリはわずか2校に減少。背景にあったのは、長期間の休暇をはじめとした休日のお世話を行う“学校の負担”などでした。

託麻南小学校も例外ではありません。かつてウサギなどを飼育していましたが、8年ほど前を最後に飼育小屋は使われなくなりました。一方で学校は、再び動物の飼育ができないか検討を進めていました。

1年生の担任、坂口静磨先生は、教科書だけでは学べない“命の大切さや尊さ”を体験を通じて学んでほしいと考えていました。
■坂口静磨教諭
「(ヤギを)思うように動かせないという体験もこれからたくさんあると思う。相手の立場に立って考えることが大事になってくるので、それが友達の立場に立って考えるとか、相手への思いやりや優しさにつながっていくのではないか」

課題だった休日のお世話は、PTAに協力を求めました。
■託麻南小PTA会長 坂木公祐さん
「今回、『ヤギ部を募集します』ということで、“ヤギ部”を立ち上げました」

PTAの呼びかけに手を挙げたのは60世帯以上。学校と家庭が協力して動物のお世話を行うことになったのです。
■託麻南小PTA会長 坂木公祐さん
「ずっと飼育小屋が空っぽなのが寂しいなと思っていた時だったので、保護者と先生が力を合わせて、もし良ければ地域の方も巻き込んで、ヤギのお世話ができれば」

飼育を通して「命の大切さや尊さ」を学ぶ

飼育を行うということは、動物の命や生活に責任を持つこと。子どもたちは獣医師から話を聞き、ヤギの生態や健康観察の方法を学んでいます。

■獣医師 米村知憲さん
「ウンチはとっても大事です。ヤギさんの健康を見る上で。ウンチが大きなかたまりになっていたら、ヤギさんのウンチを見た?小さいツブツブのウンチ」
■男子児童(1年生)
「かたまってたよー!」
■獣医師 米村知憲さん
「そうそうそう、かたまりもずっと続くようだったら、先生に教えてあげて」

日々の体験が、より深い理解へとつながっています。また、子どもたちの成長を感じる場面に出会うことも。
■女子児童(1年生)
「こわい~…」
仲良くなりたいのに、あと一歩、勇気が出ない女の子。でも…。

■女子児童(1年生)
「あげられた!」
■先生
「あげられた!よかったねぇ」
■女子児童(1年生)
「うれしかった」

さらに。
■男子児童(1年生)
「トモが2月に赤ちゃんを産む」

新たな命の誕生と向き合う機会にもなりそうです。学校と家庭が協力し、再開した動物の飼育。飼育を始めて約2週間。学校によりますと、ヤギの近くでは大きな声や音を出さないよう気をつけるなど、子どもたちのお世話の仕方にも変化が見え始めているということです。

最終更新日:2024年11月20日 19:33
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