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開業わずか半年で被災 輪島のベーグル店 仮設店舗で再開模索

2024年5月24日 19:49
開業わずか半年で被災 輪島のベーグル店 仮設店舗で再開模索

元日の地震で被災した事業者の多くは、いまも再建の見通しが立っていません。こうした中、地域の居場所を作りたいと、仮設店舗での営業再開を模索する輪島市の男性を取材しました。

22日、輪島市大野町の高台にある店では。

こめとわとベーグル・山下祐介さん:
「こうなっているんですよ」


地震の影響で床には大きな亀裂が。店内のイートインスペースは少し下がってしまったといいます。

山下祐介さん:
「まだはっきりとした再開のめども立っていない状況です」

こう話すのは、コメ農家の山下祐介さん。
山下さんは、米作りのかたわら、去年7月にこちらのベーグルの専門店をオープン。

自家製の米粉100%を使用し、金沢や富山からも客が訪れていました。

しかし、元日の地震で店が被災。さらに、店の近くでは地滑りが発生し、復旧工事に向けた調査に1年ほどかかる見込みだといいます。
それでも…

山下祐介さん:
「製造に関してはこっちの厨房側はまだ比較的大丈夫ではあるんですけど」

水道が復旧したこともあり、機械の修繕などをしてベーグルの製造だけでも何とか再開したいと話します。こうした中、選択肢の1つに考えているのが仮設店舗での営業再開です。

山下祐介さん:
「製造はここでして販売だけを仮設店舗でするのも1つですし」

輪島市では、被災した事業者を応援するため国の制度を活用して仮設の商店街などを整備する方針です。

1区画当たりの面積は最大100平方メートル。複数の事業者が使うのが前提で、事業者に建設費や入居料の負担はなく利用期間に制限はありません。

22日、仮設店舗での営業を考える事業者を対象に説明会が開かれました。

山下祐介さん:
「こういった事業者は対象ではないような制限あるようなら(回答)お願いします」

中小企業基盤整備機構職員:
「床の強さとかに耐えられるならば製造業さんでも全然大丈夫です」

山下さんは市とも相談しながら自身が暮らす町野地区で他の菓子店などとも連携し、仮設店舗での営業再開を検討しています。

山下祐介さん「町野で仮設店舗を出すことで(住民の)居場所づくりにも貢献できるかなという思いもあって少しでもやりたい頑張りたいと思っている事業者さんがあきらめることなく、仮設でもいいから再開できて復興で自分のお店を再建できる流れは確実に持っていきたい」

地震からの復興、まちづくりの面からも地域に店の存在は重要だと話す山下さん。

少しでも早い営業再開を目指し、被災した事業者たちはさまざまな方法を模索しています。