「手話の魅力を広めたい」 11年前に全国で初めて「手話言語条例」を制定した鳥取県 今年も「とっとり手話まつり」開催へ 園児や聾学校の生徒たちなどが準備進める
12月8日に日曜日に鳥取市で開催される「手話まつり」。本番に向けて準備が進んでいます。
手話言語条例が制定されている鳥取県。手話に親しんでもらおうと開催される「とっとり手話まつり」に出演する鳥取市のさくら幼稚園・さくら保育園の年長組の園児たちは、歌と手話を披露するため練習を行っていました。
先生
「もうちょっとお顔が緊張してるから、お顔でも楽しく歌ってるぞって見せてね」
12月3日には、鳥取県東部聴覚障がい者センターの岡嶋所長も見学に訪れ、園児たちにエールを送りました。
鳥取県東部聴覚障がい者センター 岡嶋雅人 所長
「大きな身振りで元気に発表をしてください。みなさん頑張ってください」
Qどんなところを頑張って練習していますか?
園児
「ぜんぶです」
「手話をみんなでやってみたら楽しかったです」
さくら幼稚園・さくら保育園 無替順子 先生
「繰り返しやっているうちに楽しくなってきて、言葉の意味をよく理解するようになったなと思っています。今は喜んでいろんなことに興味を持って『これはどういう風にしてするの?』なんて聞きながら頑張ってくれています」
11年前の2013年に鳥取県で制定された「手話言語条例」。手話を言語として位置づける全国で初めての条例で、手話の普及や手話が使いやすい環境の整備を義務づけています。
条例制定の翌年から高校生による手話パフォーマンス甲子園も開催。若い世代への普及にも取り組んできました。手話に親しんでもらおうと毎年行われているのが「とっとり手話まつり」です。
とっとり手話まつりinこくふ 戸羽伸一 実行委員長
「手話言語のことを知ってもらい、手話言語で聞こえない人と交流をしてもらいたいです。そして、手話の魅力を広めたいです」
実行委員長の戸羽さんは条例制定後、コンビニの店員が簡単な手話で話をしてくれるようになるなど社会の変化を感じると話します。
とっとり手話まつりinこくふ 戸羽伸一 実行委員長
「聞こえる人が手話言語で表されているのを見ると、聞こえない人のこと、手話言語のことに対して理解があると思うとうれしくなります」
鳥取市の鳥取聾学校でもまつりに向けた準備が進んでいました。中学部と高等部の生徒7人で和太鼓を披露する予定ですがー。
先生
「あっとる?これ…じゃあもう一回」
みんなの予定が合わずこの日練習に参加できたのは2人。
先生
「あってる。あってましたよ、今の良かったよ」
練習を重ねリズムと音を合わせていきます。
先生
「合いました!良かったですよ!ばっちり、ばっちり。手の向きもばっちり良かったですよ」
練習を重ね、リズムと音を合わせていきます。
生徒
「頑張っている姿を見てもらいたいです」
「緊張しちゃうんですけど、高3としてみんなをリードしていけたらいいなと思っています」
鳥取聾学校 中井暁子 先生
「私たちが聞こえているような音楽が、そのままの状態で聞こえているわけではないんですけど、和太鼓ってやっぱりリズムが中心で音がビリビリビリと体に伝わってくるので、子供たちは好きな音楽の活動の一つです。子供たちの良さをみなさんにアピールできたらいいかなと思っています」
手話言語条例を制定した鳥取県ならではの「とっとり手話まつり」。鳥取聾学校の生徒たちによる漫才やしゃんしゃん傘踊りのほか、手話を取り入れた猿まわし公演や輪投げ、ボッチャ体験などのイベントも予定されています。
「とっとり手話まつり」は、12月8日に鳥取市の国府町コミュニティセンターで行われ、誰でも参加することができます。