栽培農家は10人以下…“幻の食材”でスイーツ開発!島の魅力伝えたい高校生たち
栽培農家は10人以下…愛媛県新居浜市に“幻”と呼ばれる島育ちの食材があります。その食材の知名度や美味しさを広めていこうと活動しているのが新居浜商業高校。高校生たちの思いと島の食材がコラボしたスイーツが完成です。
去年11月。新居浜商業高校の3年生が、オリジナルスイーツに欠かせない食材を求めフェリーに乗り込みました。向かったのはフェリーに乗って15分、市唯一の離島、大島です。地元では新居大島と呼ばれています。
島に到着した生徒はさっそく畑へ。収穫していたのは…
男子生徒:
「白いも」
男子生徒:
「幻のいも」
サツマイモの一種の白いも。名前のとおり皮が白っぽく、また、この島で採れる白いもは島の土壌と気候が栽培に適していて、糖度は10度から12度、熟成させると、糖度が15度と甘みが強いのが特徴です。新居浜では「七福芋」という名前でも知られています。
大島の人口は現在およそ130人。そのうち、白いもを栽培しているのは10人以下。年間の収穫量も2.3トンと希少性が高く、「幻のいも」と呼ばれています。
新居浜商業高校では、大島特産の白いもを活用して5年前から3年生の課題研究授業で、白いものスイーツを開発しています。
新居浜市大島交流センター 所長 村上和夫さん:
「大島は今高齢化で人口減少になってますので、ぜひいろんな人に大島を知ってもらうということでは本当にありがたいことと思っています」
白いも収穫前の7月。生徒が、スイーツの制作に取り掛かっていました。
若宮食堂 日野拓さん:
「きょう皆さんの案を見せていただいてクッキーを焼いてみようということで準備しました」
市内で飲食店を営む日野拓さん協力のもと、今回、白いもを使ったクッキーを作っていきます。白いもは収穫時期と異なるため、前の年に収穫しペースト状にして保存していたものを使用。
男子生徒:
「難しいです。混ぜる工程が難しいです」
今回作るのは棒状に成形した後、切って焼き上げるディアマンクッキーと、型抜きクッキーの2種類です。
日野さん:
「白いもをあんまりたくさん混ぜたら折角作ったやつがダマになって、またそこから割れやすくなったりするので練りこむ感じでやってほしい」
150度のオーブンで15分。試作の白いもクッキーが焼き上がりました。
男子生徒:
「熱、めっちゃおいしい。やさしい味がする(甘さは)ちょうどよくて食べやすい」
日野さん:
「スタンダードなクッキーを焼いてみました。これに子どもたちのアイデアが混ざっていい商品ができればと思っています」
11月、学校の文化祭で初めて販売されることになりました。クッキーは改良を重ねながら、カニや貝がら、船など大島をイメージさせる5種類に型取られています。
保護者:
「(けっこう買いましたね)形全種類あったのでいろいろ見比べてみたいなと形だけでも」
購入した生徒:
「ねっとりしていておいしいです。僕は好きな味です」
この日は、いよいよ白いもクッキーを校外で初めて販売します。販売を担当するのは、学校活動で開発した商品の販売などを行う部活動NC☆SHOP部のメンバーです。白いもクッキーは5個入りで44セット用意しました。
このイベントには、白いもクッキーだけでなく過去に考案され。地元の企業とコラボして作った白いものマフィンやロールケーキも一緒に販売します。
女子生徒:
「白いもクッキー新発売してます」
客(男性):
「女の子作ったんこれ?上手に作っているね」
白いもを使ったスイーツの数々に、次第にお客さんが集まってきました。
購入客(女性):
「白いもというところが気になって買ってみました」
購入客(女性):
「白いも食べたことあまりなくて食べてみたいなと思って」
新居浜市 古川拓哉市長:
「チーズケーキとマフィンと(白いも)クッキー2つ」
イベントに来賓として訪れていた新居浜市の古川拓哉市長も。
古川市長
「さくさくしてるけど意外ともっちり美味しいです。やっぱりお芋の味するね」
そして、販売開始から1時間半。
女子生徒:
「ありがとうございます。やったー!」
商業科3年 越智ルル華さん:
「今回いっぱい売れているんでもっともっと広めたい」
また、新居浜商業ではスイーツ開発だけでなく、白いもの産地大島を生徒が探索し、おすすめのビューポイントをまとめたポスターを船の待合室に設置するなど、大島を盛り上げようという活動を続けています。
情報ビジネス課3年 中山大輝さん:
「大島は自然が多くて海もきれいなので、もっときれいな景色をいろんな人に知ってもらったり、そういうところでもっと大島を盛り上げていきたいなと思います」
地域の宝を、自分たちの力でより多くの人に届けていきたい。
商業科3年 山下菜々子さん:
「大島のことも知ってもらって白いものことも知ってもらって、いろんな人に大島に来てもらえたらいいなと思っています」