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父と目指すは“世界チャンピオン”!アマチュア格闘技界に旋風、新居浜のスーパー小学生

2024年10月11日 17:34
父と目指すは“世界チャンピオン”!アマチュア格闘技界に旋風、新居浜のスーパー小学生

一見普通の小学生の女の子。実は知る人ぞ知る、ある競技の有力選手なんです。二人三脚で世界王者を目指す、父と娘の挑戦に密着しました。

愛媛県新居浜市の高津小学校に通う、近藤希咲来(きさら)さん、6年生。

クラスメイト:
「やさしくて頭がよくて勉強もできて」
「一緒にいたら楽しいです」

授業の合間には友達との時間を満喫する、一見普通の女の子なんですが…

クラスメイト:
「友達から聞きました。びっくりしてすごいなと思いました」
「かなわないと思います」

同級生が一目置く希咲来さん、もうひとつの顔が…なんと、軽快なフットワークから鋭いパンチを繰り出すボクサー!

さらに空手、キックボクシングも嗜む“格闘技女子”なんです!

希咲来さん:
「(将来の夢は)世界チャンピオンなって那須川天心選手みたいになることです」

新居浜から世界を目指すスーパー小学生、希咲来さんの挑戦に密着しました。

学校が終わった午後4時過ぎ。日課の練習に臨む希咲来さん。練習場所は、塗装業を営む元プロボクサーの父・正英さんが営むボクシングジムです。1日に2時間から3時間。休みの日には、5時間以上練習するといいます。

希咲来さん:
「遊びたいけど練習しないと勝てないので、練習を優先してます」

小学1年生の時に空手に出会い、3年生で出場した全国大会を制した希咲来さん。その後、2年前からキックボクサーに転向。出場した様々な格闘技の大会で優勝するなど、目覚ましい活躍を見せています。

指導者として希咲来さんを見守る、父・正英さん。元プロボクサーとして、希咲来さんが格闘技の世界に飛び込むことに、最初はためらいがあったといいます。

父・正英さん:
「ボクシングだけでご飯食べている人はほとんどいないのが現状で知っているんですけど、だからやらせたくなかったんですけど、この子だったらそれを越えれるかなと思わせてくれた。この子だったら家族で全力を注いで将来を目指せるなと思って」

この日、妹・望希叶(ののか)さんと一緒に練習に励んだ希咲来さん。10月に大阪で行われるキックボクシングの大会に向けて、コンビネーションやフットワークに磨きをかけました。

希咲来さん:
「めちゃくちゃしんどいけど、お父さんも頑張ってくれているので私も頑張らないとと思って」

大会まで2日。試合前、最後の練習。対戦相手を想定して、市内のボクシングジムで中学生を相手にスパーリング。

希咲来さんが出場するのは、35キロ級クラスの準決勝。対戦相手は中学生の男子です。

男子選手が圧倒的に多い格闘技の世界。希咲来さん、普段から男子選手とスパーリングを行って感覚を養います。およそ2時間汗を流した希咲来さん。
希咲来さん:
「(調子は)めちゃくちゃいいです。相手を圧倒できるように頑張ります」

迎えた今月6日、大会当日。参加するのは強豪ぞろい。およそ200人のアマチュアキックボクサーです。

試合前。会場の熱気をよそに、集中を高める希咲来さん。

希咲来さん:
「緊張してるんですけど頑張ります」

リングアナ:
「青コーナー、テッペンジム大阪 近藤選手」
希咲来さん:
「はい!」

試合は1分30秒の2ラウンド制。セコンドには週に1度練習に通う、大阪のジムに所属するプロキックボクサー。父の正英さんは、観客に混じって見守ります。

ついに始まった、決勝進出をかけた一戦。相手は1歳年上、中学1年の男子です。希咲来さん、序盤から積極的に前に出ます。相手は希咲来さんのハイキックを警戒して、距離をとりながらカウンターぎみに反撃を仕掛けます。 

ここまでは5分と5分…勝負の第2ラウンド。希咲来さん、相手のパンチにひるむことなく、戦い続けます。

セコンド:
「おーナイスナイスミドル(キック)」

そして互角の戦いは、3人の審判による判定に持ち込まれました。青なら希咲来さん勝利、赤なら敗退です。正英さんも心配そうな表情で判定を見守ります。

リングアナウンス:
「判定の結果をお伝えします。20対19で青。20対19で赤」

そして、最後の一人は…

リングアナウンス:
「20対19で青」

希咲来さん、中学生を相手に見事2-1で勝利です!

セコンド:
「勝ちました何とか」

父・正英さん
「めちゃくちゃうれしいです、やりましたとりあえず。とにかくうれしいです、判定だったんですけど十分です。もう心いっぱいです」

父と二人三脚。苦しい練習を重ね手にした勝利。

希咲来さん:
「固くなりすぎてめっちゃ僅差になって悔しい。(決勝に向けて)こんなぎりぎり僅差にならないように頑張って練習します」

セコンド務めたプロキックボクサー京谷祐希さん:
「末恐ろしいですよ。ぼくらもちゃんとしないといけないなと責任ありますし、彼女が将来有名な選手になるのは間違いないので」

頂点への階段をひとつ登った希咲来さん。決勝のゴングは、今月20日です。 

希咲来さん:
「将来の夢は世界チャンピオンなって那須川天心選手みたいになることです」