【発表】芥川賞候補作に5作品 安堂ホセ、九段理江らがノミネート
■安堂ホセ『迷彩色の男』
安堂ホセさん(29)の『迷彩色の男』は、都内のクルージングスポットで26歳の男が暴行された姿で発見され、事件の背後に浮かびあがる”迷彩色の男”を描いた物語です。
安堂さんは、東京都生まれ。『ジャクソンひとり』が第168回芥川賞の候補作にも選ばれていて、今回が2度目のノミネートとなりました。
■川野芽生『Blue』
川野芽生さん(32)の『Blue』は、“人魚姫”を翻案した劇を上演する高校の演劇部員たちの物語です。
川野さんは、神奈川県出身。東京大学大学院博士課程に在籍しています。歌人、小説家として活動していて、今回初めてノミネートされました。
■九段理江『東京都同情塔』
九段理江さん(33)の『東京都同情塔』は、建築家・牧名が、仕事と信条の乖離(かいり)に苦悩しながらも、パワフルに未来を追求していく姿を描いた物語です。
九段さんは、埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。2021年に『悪い音楽』で、第126回文學界新人賞を受賞し、デビュー。第166回芥川賞では、『Schoolgirl』が候補作に選ばれていて、2度目のノミネートとなります。
■小砂川チト「猿の戴冠式(たいかんしき)」
小砂川チトさん(33)の『猿の戴冠式』は、ある事件以降、引きこもっていた競歩選手のしふみが動植物園へ向かうところから始まる物語です。
小砂川さんは、岩手県盛岡市生まれ。2022年に『家庭用安心坑夫』で第65回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。同作品は、第167回芥川賞の候補作にも選ばれていて、2度目のノミネートとなります。
■三木三奈「アイスネルワイゼン」
三木三奈さん(32)の『アイスネルワイゼン』は、“琴音”がピアノ伴奏の仕事で失敗をし、友人とけんかをし、クリスマスイブに一人深夜バスに乗るところから始まる物語。
三木さんは、埼玉県生まれ。2020年『アキちゃん』で第125回文學界新人賞を受賞し、デビューしました。同作品は、第163回芥川賞の候補作にも選ばれていて、2度目のノミネートとなります。
受賞作は、来年1月17日に発表される予定です。