どきどきキャンプ・佐藤満春 芸人の王道諦め→放送作家レギュラー19本 「無理しない」生き方
■『24』ネタでブレイクも…ひな壇では「一言もしゃべらず帰る」 王道諦めたワケ
――初の自叙伝エッセー『スターにはなれませんでしたが』(2月17日発売)を、45歳の誕生日に発表。本の中にもある、芸人から放送作家の仕事へ活動の軸を移したときの背景を教えてください。
世の中が、お笑い芸人像として求める“賞レース優勝”とか、バラエティー番組をバ~っと1周して冠番組があってMCになっていく…みたいな、いわゆる“芸人の王道”の成功とされる図式みたいなところに全くはまっていく可能性を感じなかったのと、人間的な資質も芸人的な資質も考えて、そこは目指せないし「無理だな」って思っちゃった瞬間があったんですよね。
楽しい番組もたくさん出させていただきましたし貴重な経験もできたんですけど、50人とか100人いるひな壇にポンって座らされて、一言もしゃべらず帰るみたいなのが当時は特に多かったんですね。そこでみんなの前に出ていって“すごくいい間で一言、言ってダン!ってウケる”みたいなスキルもないし勇気もないし。面白い人はいっぱいいるし、何もできずに帰るというのは心情的にもかなりキツくて。
居場所がここじゃないというか、僕が何かを成すとしてもここじゃない。センスがないなりに、自分の居場所を見つけるしかなくて。それを精一杯やった数年間って感じだったと思います。向き・不向きが僕の中でも大きすぎたから、“苦しい”ということを避けて避けて。同じ山を登ることしか許容されない時代だったので、僕はそこの山を下りて勝手に別の山を作って登ってたんですよね。