仏壇の会社が手がけた推し活アイテム『推し壇』 開発担当者に聞く商品化のこだわり
■本物の神棚や祭壇と同じ素材・技法で作られた本格仕様
「推しのための祈りのステージ」と銘打った『推し壇』。値段は1万3750円で、素材には国産ヒノキを用い、本物の神棚と同じ技法で作成されています。
商品が誕生したきっかけは、社員のチャレンジを実現する社内公募。開発者の「自分を支えてくれる推しに対して感謝と祈りをささげ、手を合わせていただきたい」との思いが経営陣に伝わり、企画が採用されたそうです。仕様のこだわりについて開発者は「手を合わせるに相応(ふさわ)しい品質と品格にこだわったことと、推し色に対応したテンションが上がるライティング効果が特長です。推している対象のサイズも様々ですので高さ調整も可能で、マグネット式の“お札立て”(別売り)を追加すればもっとたくさんの対象をお飾りできるよう拡張性にもこだわりました」と回答しました。
『推し壇』には20色に光るLEDライトが付属し、さらにグラデーションや点滅など21種類の点灯方法が楽しめます。また、屋根の高さを調節することで、文庫本やアクリルスタンドなど小型のものから、ぬいぐるみやフィギュアといった大型のものまで様々なグッズを飾ることができるとのことです。
■担当者も驚く「想定外のバズり方」
『推し壇』の発売に際して、宗教にも関わる商品の特性上、企業は公式Xへの投稿と特定のインターネット記事でのPRしか行っていなかったといいます。それでも、該当のポストは、商品のリリースから1日で約1万リポスト、160万の閲覧数を記録するなど、大きく拡散されました。
実際にSNSでは、「思い切った商品だけど親和性ある」「この発想はなかった」など様々な反応が見られ、この反響について広報担当は「想定外のバズり方をしました」と驚いた様子。
しかし、想定外の拡散ゆえに誤解もあるようで、「今回は、“お仏壇のはせがわ”が出した『〇〇壇』のため、『推し壇』をお仏壇の流れにあるものと誤解されている方が多くいらっしゃいますが、『推し壇』の『壇』は、『祭壇』の『壇』であり、お仏壇の『壇』ではございません。誤解を招くような商品名にしてしまい申し訳なく思っております」と、商品名に由来した誤解について語りました。
それでも「ポストの大半は、私共の試みに対して想像以上に好意的な評価をいただいており、ありがたく思っています」とユーザーに感謝。「昨今は、住環境や価値観の変化によってお仏壇やお墓に対して手を合わせる習慣自体が減少していると思われます。供養とはまた違った視点にはなりますが、“推し”に手を合わせる機会を提供することで、そういった敬いや感謝を持ってお祈りをするという習慣や文化を、特に若い方を中心に促すことができるのではないかと弊社は考えています」と願いを語りました。