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篠山紀信氏“お坊さん”の夢破れて写真家に

2017年1月7日 17:56
篠山紀信氏“お坊さん”の夢破れて写真家に

 写真家の篠山紀信氏(76)が7日、神奈川・横浜美術館で記者会見を行った。

 同所では写真展「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」を開催中(2月28日まで)。2012年の開幕以来、全国25会場を巡回し、75万人以上が来場した写真展で、同所での開催は今回が初めて。
 会場内には50余年にわたって撮影してきた膨大な写真の中から、自ら選んだ俳優、歌手、スポーツ選手、作家、歌舞伎役者などの姿をおさめた約120作品を大型パネルで展示しており、篠山氏は「(有名人の写真と自身を重ね)『あの時代、俺は浪人していたよな』とか『付き合ってたのはあの彼女だったな』とかいろんなことを思い出せる。この写真展は鑑賞じゃなくて“体感”なんです。自分の体をこの美術館の中まで運んで、この空間の中に浸ってもらいたい」とアピールした。

 記者から改めて「写真家を志した経緯」を聞かれると、「本当は写真家になるつもりはなかったんです。僕は東京・新宿のお寺の二男坊なんです。坊さんくらい楽な商売はないので、本当は坊さんがいいなと思っていたんだけど、(寺を継ぐ)兄貴がいたので(親から)『自由にやりなさい』と(言われた)」と回想。
 転機が訪れたのは大学受験に失敗し、浪人した時だそうで、「ちょうど(見ていた)新聞にあった“日大の写真科”という文字が目に入って『面白そうだな』って。『写真を仕事にしよう!』と思って日大に入ったけど、(大学では)全然写真のことを教えてくれなかった。頭にきたのは体育の時間があって『跳び箱を跳べ』って(言われた)。突き指したらどうやってシャッター押すんだよって!失敗したなって…。結局、(写真の)専門学校に2年通ったんです」と冗談交じりに経歴を明かし、笑いを誘った。