黒柳徹子 自伝的物語『窓ぎわのトットちゃん』 出版から42年で初のアニメ映画化
1981年に出版された『窓ぎわのトットちゃん』は、国内累計発行部数800万部を突破。さらに海外でも中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2500万部超を記録しています。
舞台は、第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代。好奇心旺盛な小学一年生のトットちゃん(黒柳徹子さん)が、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまい、東京の自由が丘に実在した『トモエ学園』に転校することから物語は始まります。『トモエ学園』の自由でユニークな校風のもと、恩師となる小林先生と出会ったトットちゃんの、元気いっぱいな日常生活が描かれます。
40年以上前に出版された物語でありながら、本作が映像化されるのは今回が初めて。実はこれまでもオファーは届いていましたが、“読者の頭の中にあるイメージを壊したくない”という黒柳さんの考えもあり、実現に至らなかったそうです。しかし、大ヒット作品を手がける八鍬新之介監督が原作にほれ込み、アニメーションでの映画化を黒柳さん本人に直接オファー。当初は黒柳さんには戸惑いがあったそうですが、イメージボードを手に何度も訪れ、説得を重ねた八鍬監督の熱意が届き、今回アニメ映画化が実現したということです。
黒柳さんは、承諾をした背景について「1981年に『窓ぎわのトットちゃん』を書いたあと、ものすごくたくさんの映画監督から映画にしたいと依頼がありました。よく冗談で言っているのですが、あの黒澤明監督以外のほとんど全ての映画監督から、ありがたいことにお手紙をいただいたのを今でも覚えています。ただし、本を読んでくれた皆さんの頭の中にある映像の方が良いものなんじゃないか? と思って全てお断りしてきました。そうしたら今度はアニメーションでどうですか?という話で…笑。それであれば若い方々がご覧になっても楽しめるかもしれないと思いました」と明かしました。
2023年冬の公開に向けて制作中の本作。黒柳さんは「今でも本屋に行って置いてあると聞くと嬉しくなりますし、本を読んだ子どもたちの感想を聞くのが楽しみです。最近は世界情勢がいろいろ変わってきているので、この映画を観た若い世代の皆さんに“面白かった!”と思ってもらえるといいなと思います」と期待を寄せています。