×

プロレスのレフェリーになるには? 25周年・バーブ佐々木が伝授 大前提3秒ではない “3カウントの極意”

2025年3月1日 6:55
プロレスのレフェリーになるには? 25周年・バーブ佐々木が伝授 大前提3秒ではない “3カウントの極意”
プロレスのレフェリー・バーブ佐々木さん
プロレスのレフェリーを務めるバーブ佐々木さん(43)にインタビュー。3月10日に自身のレフェリー25周年記念大会『CRAZY FEST』(後楽園ホール)を開催するバーブ佐々木さんに、大会開催の経緯や意気込み、さらにプロレスのレフェリーになる方法や、3カウントの極意など、レフェリーの仕事についてを伺いました。

団体に所属せず、フリーのレフェリーとして活動するバーブ佐々木さんは、通常のルールから、デスマッチやハードコア形式、さらに女子プロレスの試合など幅広い試合でのレフェリングを行っています。

そんなバーブ佐々木さんが、3月10日に自身のレフェリー25周年記念大会『CRAZY FEST』を後楽園ホールで開催。バーブさんのレフェリー生活でゆかりのあるプロレス団体や選手の協力のもと、全試合“特殊ルール”(予定)で行われる大会となっています。

――今回の興行を行うことになった経緯やきっかけを教えてください。

僕が思い描く理想のカードが実現する可能性があるな、そのカードがもし実現するんだったら、25周年のタイミングに合わせてやりたいなっていうところからスタートですね。今回発表されているメインのカードを軸に、僕の技術を全部出せるようなカードが実現する可能性があったので、そこがあったからやろうと思いました。

■プロレスのレフェリーになる方法

バーブ佐々木さんは、18歳で大日本プロレスに入社し、その年の10月にプロレスのレフェリーとしてデビューしました。

――25年前にレフェリーを志したきっかけはなんだったのでしょうか。

元々はプロレスラーになりたかったわけですけど、当時結構プロレスラーのなり手が多くて。僕の世代だと、KENTA選手とか内藤哲也選手とか、今のプロレス界の軸になっているような世代だったので、結構審査も厳しかった。僕は身長が低くてレスラーになれずに、履歴書を送り返されたような感じだったので。それだったらやっぱりリングになるべく近い仕事をやりたかったので、レフェリーかなと。

――プロレスのレフェリーになるためにはどのような方法がありますか。

いろんなルートがあると思うんですけど、まずはプロレスの団体に所属するところからスタートするのがいいのかな。ちゃんと団体に「レフェリー希望です」っていうのを伝えて、営業から入って。営業の仕事もあれば、運転手の仕事もあって、リング屋さんの仕事があったりとか。そういう雑務をこなしつつ、レフェリーの練習とかもさせていただいてっていう積み重ねでたどり着くものかなと。ただ、レフェリーの枠がその団体にないとなれないので、いろいろなタイミングが必要ですね。

■レフェリーの一日のスケジュール

――団体に所属している時とフリーの現在、それぞれの仕事内容を教えてください。

所属していたときは、地方の会場が多かったので、まず宣伝カーで宣伝活動をするために前乗りですね。飲み屋さんにポスター配ったりとか、チケットを預けてるお店とかからチケットを引き上げて、計算して当日券に回したりとかっていう仕事ですね。

当日も宣伝カーでぐるぐる回って、“試合会場こちらですよ”みたいな看板を作ったりとか、リング設営ですね。そういう雑務がぶわっとありまして。バタバタしながらレフェリーもやって。終わったら、もう前乗りなんで、大阪でやったら次は福岡に先に入ったりとか。

フリーだと、リング設営とか、撤収もお手伝いしますが、それも団体によってですね。それ以外は、ほとんどレフェリーに専念してます。試合会場に行ったら、ウオームアップしたりとか、トレーニングを軽くしたりとか。レフェリーをやって終わったら帰る。完全レフェリー専念なので、レフェリーのパフォーマンスに集中できる環境という感じですね。

■3カウントは「選手がどれだけやれるかの見極め」

――レフェリーの仕事でいうと、3秒数える、3カウントを数えるというのがあると思うのですが、体内時計などを鍛える訓練などはしているのでしょうか。

大前提として“秒”じゃなくて“カウント”っていう。カウントっていうのはレフェリーのタイミングなので。例えば「ワン……、ツースリー」でもいいと思います。「ワン、ツー…、返したー」というのも全然アリだと思うので。まだまだできるのにバンバンカウントを入れちゃうのも違うと思いますし、“このダメージでどのくらい動けるのかな”とか、“肩が上げられるのか、上げられないのか”とか、全然シチュエーションは変わってくるというか。

カウントのスピードをバラバラにするわけでもないんですけど、体内時計というよりは、選手があとどれだけやれる気力があるのかっていう見極めを常にしている感じですね。その見極めを自分の中の3カウント以内で決めるっていう。

やっぱり選手がまだやる気があるんだったら、なるべくやらせてあげたいですし。ただ、やらせてあげたいですが、さすがに僕の中の3カウントの中で収まっていなければ試合終了ですよっていう。レフェリーはその見極めをずっとしている感じですね。

■たくさんの人に「この大会を見て何かつかんでほしい」

――今回の大会はどんな方に見てほしいですか。

全プロレスファンに見ていただきたいですね。今回、ハードコアとかデスマッチのコンテンツ重視ですが、そこを毛嫌いしないで見ていただきたいですね。プロレス見たことなかったですけど、この大会を見たらプロレス好きになりましたとか、デスマッチに興味を持ちましたとか、プロレスラーに興味を持ちましたというふうなことになってくれるのがやっぱりうれしいので。

この大会を見て何かをつかんでほしいっていう。だから少しでも見てください、ちょっとでもいいから興味を持ってくださいっていうのはありますね。プロレスファンである自覚がある人には全員見てほしいですね。プロレスを愛しているんだったら、なおさら見てほしいです。

最終更新日:2025年3月1日 6:55