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市川團十郎、妹・市川翠扇と亡き父への思い語る「父はいろんなものを私に残してくれている」

2023年3月4日 22:15
市川團十郎、妹・市川翠扇と亡き父への思い語る「父はいろんなものを私に残してくれている」
市川團十郎さん(右)と妹の翠扇さん(左)
歌舞伎俳優の市川團十郎さん(45)の襲名披露巡業が4日、石川県小松市で初日を迎え、團十郎さんが妹で舞踊家の市川翠扇(すいせん)さんとイベントに登壇しました。團十郎さんは「父はいろんなものを私に残してくれている」と、亡き父・十二代目市川團十郎さんへの思いを語りました。

■ゆかりの劇場が團十郎襲名にあわせて名称変更 「楽屋入りして父を感じた」

石川県小松市は、歌舞伎十八番のひとつ『勧進帳』の舞台となった安宅の関があり、中学生たちが授業に『勧進帳』を取り入れて演じるなど「歌舞伎のまち」として知られています。初日の公演が行われた「團十郎芸術劇場うらら」は、父・十二代目團十郎さんが舞台設計の監修も務めたゆかりのある劇場で、今回の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露巡業」にあわせて3月4日に今の名称に変更されました。

全国で唯一となる團十郎の名前を冠した劇場について團十郎さんは「父はいろんなものを私に残してくれていると今日痛感しています。愛のようなものを父は残して旅立った。それをいろんなところで感じました」と話し、「楽屋入りして父を感じました。父の思いが一番伝わる劇場のひとつなので、他の劇場にはない思いの深さがある」と語りました。

■舞踊家の妹・市川翠扇さん「二階の一番前の席で父がほほえんでくれた」

舞踊家の翠扇さんは「父が他界して1年後くらい小松で初めてこの劇場に立って舞台から客席を眺めたら、なんとなく劇場の制作に携わった父の温かさがとても残っている劇場で、二階の一番前の席で父がほほえんでくれているな、と感じたのが印象に残っています」と話しました。團十郎さんは「父は小松の安宅で『勧進帳』をやりたいというのがひとつの夢だったがそれが叶わなかった」とした上で、「父がやりたいということを受け継いで安宅で『勧進帳』ができたことは何にも勝る思い出です」と話しました。

■お練りに5000人の大観衆 「海老蔵さん」と呼ぶ声も

初日の公演に先立って行われたお練りには5000人(主催者発表)の観客が集まりました。團十郎さんは「まだやはりお練りの最中に“海老蔵さん”と呼ばれることもありましたから(笑)、まずは数年、“團十郎”と皆様が呼んでいただけるように精進します」と笑顔で語りました。