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中村芝翫“嫉妬深い妻”を初役で勤める

2021年6月30日 16:21
中村芝翫“嫉妬深い妻”を初役で勤める

歌舞伎俳優の中村芝翫さん(55)が取材に応じ、歌舞伎座『七月大歌舞伎』第二部・「身替座禅」(7月4日初日)で初めて女方の“玉の井”を勤める心境を語りました。

芝翫さんが出演する身替座禅(みがわりざぜん)は狂言の大曲『花子』を題材に、浮気夫と嫉妬深い妻とのやりとりをユーモラスに描いた舞踊劇。これまで“玉の井”は(十八世)中村勘三郎さんや(十世)坂東三津五郎さんが勤めてきました。

初めて女方“玉の井”を勤める芝翫さんは「まさか“玉の井”を勤めさせていただくとは思っていなかった。僕にとっても怖い“玉の井”って、おかみさん何ですけど、みなさん立役から出るんですけど、その方たちが、あの支度をするとすごくかわいらしくなるんですよね、なんかすごく色気があって、立役さんが一生懸命その女方になりきってやるからこそ、狙った笑いじゃないんです。それが“玉の井”っていう奥さんの誠実さであったり、尽くす奥さんであるっていうかわいらしさがあるなって感じがしますね。」と初役への思いを明かしました。

また「お芝居で初役は一から雰囲気や空気だとかそういう物を感じなければいけないからむずかしいんですけど、身替座禅は子供の時から、また(太郎冠者で)舞台にも出させていただいていますんで、色んなことは分かっておりますので…、でも見るとやるとでは大きな違いですし、今度は愛する旦那様は(松本)白鸚のお兄さまですからね、それも初役、よくぞ私を選んでくださいましたという思いで勤めさせていただきたいと思います」と意気込みを語りました。

そして最後に「コロナ禍においてほのぼのするお芝居ですし、舞台面の中に優しい家庭の雰囲気だとか、とてもよく出来ている作品ですからどこと言うよりも全てをご覧いただいて、最後の結末で大笑いしていただくってことがよいのではないでしょうか」と舞台の見どころについて明かしてくれました。。

※歌舞伎では、男役のことを立役(たちやく)、女役のことを女方(おんながた)といいます。