窪塚洋介 俳優を「辞めるっていう1個の未来もあったと思う」
■『過去の自分』が生かされた本作
映画は、家族も仕事も全てを失った男のたった一夜の人生逆転計画を描いた物語。どん底の男を演じる上で、窪塚さんは過去の自分を思い返していたそうで「自分自身のダメだった時があって、もう見たくなかったような(過去の)自分とか感情を思い出してやる感覚で、なんでも芸の肥やしになるんだなとは思いました。結果時間たってみると自分の引き出しになっているんだなと」と語りました。
■緊張しないわけではないけど…「これが俺なんで」
16歳でデビューし、映画『GO』では第25回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞と新俳優賞をダブルで受賞するなど、注目された窪塚さん。これまでの経験で緊張した出来事を聞いてみると「『これが俺なんで。よろしくっす』っていう感じの気持ちで深呼吸したら、そんなに緊張しないで済むというか。昔の方が天然でそうだった(緊張しなかった)かもしれないです。しないわけではないけど(緊張を)ほどく術(すべ)はあるかもしれない」と明かしました。
■転落事故を経て開いた道
抜群の演技力で活躍するも、2004年、自宅マンションから転落。その後は、レゲエDeeJay・卍LINE(マンジライン)という名で、アーティストとしての活動も増えていきました。「紆余(うよ)曲折あってどこかのまあまあ高いとこから落っこったりしましたけど、あれでより自分自身の道が見えて、もう下がれないしこの道行くしかないってなってレゲエミュージックにのめり込んで自分のメッセージを曲にして、みんなに届けるという活動に入っていった」と過去を振り返りました。
■転落事故、アーティスト活動を経て…転機となった出来事
窪塚さんは2017年、ハリウッド映画『沈黙 -サイレンス-』への出演を果たします。その出来事が“俳優”としての思いに変化があったといい「『沈黙 -サイレンス-』やった時にもういいかなと思って。もう(俳優を)辞めてもいいかなって。ストーリー的にできたっていう感覚があって、辞めるっていう1個の未来もあったと思う。でも辞めなかったのはやっぱり(俳優が)すごい好きなんだなと思って。またやりたいなと思って今に至る。子どもが公園で遊ぶの好きっていう感情と同じようなもので本能的なものかな。多分これはなくならないだろうと思います」と語りました。
俳優への思いが強い窪塚さん。理想とする人物像について聞いてみると「自分の道を楽しんで感謝して元気に生きてる人。その中でいい作品に巡り合えたとかこんな賞をもらえたとか、こんなにお金を稼げたとかいろいろあるとは思うけど、1番の根本にあるのはそういう部分。気持ちの部分は大事にして進んで行けたらなと」と語りました。
■息子・愛流さんへの思い
また、息子の愛流さんも、おととしから本格的に芸能活動を始め同じ俳優の道に進んでいます。どのように映っているのか聞いてみると「彼の成長というのは刺激だし、手を離れて自分の道を歩き出していて、成長してるのかな、彼なりに。でも、よく言うんだけど登っている山はみんな違くて、自分の山は自分にしか登れないと思うので、お父さんの後ろくっついてくるとか、背中を追い抜かしてやるとか思ってたら絶対自分の山を登り切んないから、それは間違えんなよっていうのは、よく言ってますね」と父としての顔も明かしました。