来年度の物価上昇率 1.0%に下方修正
日本銀行は21日、金融政策決定会合で、最新の経済見通しを公表し、来年度の物価上昇率の見通しを大幅に引き下げた。日銀の2%の物価目標の達成は一段と厳しい情勢となった。
日銀は金融政策決定会合で、最新の経済見通しを公表し、来年度の物価上昇率について、これまでの前年度比プラス1.7%から、プラス1.0%に大幅に下方修正した。
日銀が掲げる、前年比で2%物価を上昇させる目標の実現は一段と厳しい情勢となった。
日本銀行・黒田総裁「消費者物価については、基調的な動きに変化はないと考えていますが、原油価格の大幅下落の影響から2015年度にかけて下ぶれています」
黒田総裁はこのように述べ、原油価格の急激な下落が当面、物価の上昇を抑えるとした。しかし、原油輸入国の日本にとっては原油価格の下落は企業収益の改善などにつながり、長い目で見れば物価の押し上げ要因に働くとして、黒田総裁はこれまでと同様に「2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」という見通しを改めて強調した。
一方、景気については判断を維持し、現在の金融緩和策を継続することを決めた。