納豆の「カラシ」不要? 安価で人気「箱なしティッシュ」 広がる“新常識”
納豆に付いてくるカラシを使わずに捨てる人も多いといいます。最初からカラシが付いていない納豆も登場するなど、以前は常識に思えていたものが、新たな形となって広がっています。
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every.が取材した都内に住む親子。「箱なしティッシュ」を使用しているといいます。
箱なしティッシュは家に持ち帰った後、収納の際に場所をとらないのがメリットだということで、「スペースが小さい気がします。コンパクト」「ここ(洗面所)に入れられるのが便利だなと。箱(のティッシュ)だと入らないです」などと話しました。
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東京・荒川区のドラッグストア「くすりの福太郎 南千住7丁目店」でも、箱なしティッシュが支持されていました。
お客さん
「『これが一番手軽で、安くって使いやすい』っていうので、買いに来てます」
「お値段が安いのと、箱の処理がない」
「いつも箱なしのティッシュを買ってるんで。今日もいつも通り同じの」
(Qもう箱は買わない?)
「一切買ってないです」
調査会社・インテージによると、ティッシュの平均価格(2022年12月)は、箱ありが323円なのに比べ、箱なしが268円で、55円安く買うことができます。
物価高が続く中、“比較的、安く手に入りやすい”ということで、この店では箱なしが前年比3割ほど売り上げが伸びているといいます。
くすりの福太郎 営業本部・高島智也課長
「原価の高騰が続くと思いますので、箱なしティッシュの方がさらに伸びていく傾向になるんじゃないかなと」
箱ありティッシュ派の女性
「今、(箱ありティッシュは)高くなってしまったので、ちょっとこっち(箱なしティッシュ)を買わないといけないなって気持ちに」
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当たり前だった今までの形に変化が生まれています。その変化は、食品にも及んでいます。
東京・葛飾区にあるスーパーマルセイのお客さんに聞くと、納豆に付いてくるカラシを入れて食べる人もいれば、カラシを入れずに捨てるという人もいました。
お客さん
「(カラシ)入れます。好き好きだからね。ネギとカラシを入れる」
「めんどくさいから、使いません」
「あんまり入れないかな。ほとんど捨てちゃう。こんな小さいやつでしょ」
全国納豆協同組合連合会が2021年に行った調査によると、納豆を食べる時に付属のカラシを入れると回答したのは、52.5%でした。
また、食品メーカーのミツカンが2022年に行った調査では、カラシを使わない時は7割以上が「捨てる」と回答しました。
(「すぐに捨てることが多い」43.1%、「保管しておき結局は捨てる事が多い」27.6%)
ミツカンマーケティング本部・食品企画部 新井悠之さん
「型にはまらず、いろんな食べ方をしていただくことが、お客様にとっての喜びになると思うので、いろんな食べ方をしていただければ」
ミツカンでは納豆にカラシを入れず、たれで食べる商品を展開しています。現在、カラシなしの商品が5割を占めているといいます。
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街で見かけるある機械には、新たな使われ方が出始めています。
女性たち
「証明写真だと、その場の雰囲気とかも撮れる気がするので、エモいなと」
「よくSNSで撮っている人が載せているのを見かけるので」
女性たちが写真を撮影したのは、プリントシール機ではなく、証明写真機です。
証明写真機は本来、履歴書やパスポート用の証明写真を撮ることが目的です。目を大きく見せたりする加工はなく、「ありのままを写すことができるのが良い」と人気になっているといいます。
母親世代
「こっちから見たら、全然新しくはないけど、あの子たち(若い世代)にしてみたら、初めて見たものに見えるのかも」
ME Group Japan(証明写真機を手がける会社) マーケティングマネージャー・松野雅弘さん
「アプリで加工したりとかを一通り体験されて、新しい視点として証明写真に目をつけて、若い方に人気になっているのかな」
この反響を受けて、今後は複数人でも対応できるようサイズを大きくするなど、新たな変化に対応するよう検討しているということです。