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中小企業の賃上げは…燃料・原材料費も高騰の中 大企業は“非正規”も賃上げ

2023年3月15日 17:27
中小企業の賃上げは…燃料・原材料費も高騰の中 大企業は“非正規”も賃上げ

15日、歴史的な物価高騰の中で、「春闘」の集中回答日を迎えました。この日午前、東京・中央区の金属労協では、続々と回答が集まってきていました。

大企業では、給与水準を底上げする“ベア”を中心に、例年を上回る賃上げが相次ぎました。今年、特徴的なのは、パートなど「非正規従業員への賃上げ」です。

小売り大手のイオンは、パート従業員の時給を平均7%上げることを発表。また、東京ディズニーリゾートを中心に展開する「オリエンタルランド」は、全従業員におよそ7%の賃上げを決めています。

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一方、注目されるのが、働き手の7割を占める「中小企業」です。

船舶部品などを作る埼玉・川口市の金属加工会社「石川金属機工」は、50人ほどの従業員が働く中小企業。大量に電気を使う機械が多く、電気代高騰の影響で電気料金は、去年のおよそ2倍に…。さらに、原材料の金属も軒並み値上がりして、2年前のおよそ2倍になっているものもあるといいます。

そこで、取引先に値上げ交渉に応じてもらうため、日々、金属の金額を記録し、コストの増加を訴えています。

石川金属機工・石川義明社長
「大手も、値上げに対しては今まで聞いてくれなかった取引先も、ちゃんと話は聞いてくれる」
「(価格転嫁を)6~7割ぐらいで認めてくれているかなって」

中小・下請け企業の賃上げが重要となる中、政府は今年、価格交渉に“後ろ向き”な企業には、指導などを行っています。

石川金属機工・石川社長
「(賃金は)5%は最低でも上げなきゃいけない」
「役員の報酬を切ってでも、それはやらなきゃいけないと思っています」

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一方、東京・千代田区のお好み焼き店では、光熱費や食材の値上がりに頭を悩ませていました。卵10キロの仕入れ価格は、7か月で1200円の値上がりしているといいます。

お好み焼ねぎ焼十々・渡邉哲店長
「今まで営業してた中でも、過去で一番高いですね」

しかし、この店では、収益が圧迫される中でも、去年12月には全従業員の時給を100円引き上げ。今、さらなる時給アップも考えているといいます。

お好み焼ねぎ焼十々・渡邉店長
「(時給を)50円か100円は上げないと。その(バイト代の)相場にはちょっと見合わなくなってきてるので…」

アルバイトが集まらないため“人材確保”には時給を上げざるを得ない、と感じています。

日本商工会議所の調査で、「賃上げを実施する」と回答した企業は、15日の時点で“58.2%”(速報値)。しかし、このうちの6割以上は、業績が上がっていないにもかかわらず、人材確保などのため、やむにやまれぬ賃上げをする中小企業です。

お好み焼ねぎ焼十々・渡邉店長
「ものすごく大変ですね。無駄をとにかく省く、これで今はまだ対応してるんですけども(商品の)値上げせざるを得ないのかなっていう気はしてます」

賃上げが大企業だけでなく、中小企業にも広がるように、政府は経営側と、労働側の代表者らと会議を開き、協力を呼びかける予定です。