東芝“不正” 報告書「経営トップ関与」
東芝は、不正会計を調査していた第三者委員会の報告書を公表した。佐々木前社長や田中社長ら経営トップの関与で組織的、継続的に、利益がかさ上げされていたと指摘した。
第三者委員会の報告書は、意図的に利益がかさ上げされた原因として、佐々木前社長や田中社長による「チャレンジ」と呼ばれる利益の引き上げ要求があったと指摘している。佐々木前社長や田中社長は、決算の期日が迫っている中で、通常のやり方では達成できない利益の引き上げ、「チャレンジ」を求めたと言う。こうした厳しい要求について、現役の東芝社員はこう証言している。
東芝の現役社員「予算(=目標)を作るときは、チャレンジされることが前提になっていて、こんな数字、本当にできるのかなと思うぐらい大きな金額を、予算として上積みされることがよくあった」
報告書はまた、東芝には上司の意向に逆らうことができない企業風土が存在していたため、経営トップからの利益拡大要求が、各事業のトップ、事業部長、そしてその下の従業員による組織的な不正につながったと分析している。
第三者委員会などの調査で判明した東芝の利益のかさ上げは、2008年度から2014年度第3四半期までの税引き前利益の累計で、1562億円という。