１６日のアメリカ・ニューヨーク株式市場は、アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ（＝連邦準備制度理事会）が追加の利上げを見送った上、今後の利上げのペースも緩やかになるとの見通しを示したことで、大きく値を上げた。

　１６日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価は前の日の終値から７４ドル２３セント値を上げ、１万７３２５ドル７６セントで取引を終えた。また、ハイテク株が中心のナスダック総合指数は３５．３０ポイントほど上がり４７６３．９７だった。

　ＦＲＢは２日間にわたり会合を開き、追加の利上げを「見送る」と発表した。イエレン議長は会見の中で「ここ数か月間、物価は上昇し、アメリカの経済は緩やかに拡大している」との見方を示したが、「世界経済や金融市場は引き続きアメリカ経済のリスクになる」と述べるなど、中国をはじめとした世界の景気の減速に警戒感を示した。

　また、今後の利上げの見通しについて「年内に２回と」の予測を発表。前回の４回から半減し、利上げのペースが緩やかになると示唆されたことを受け、ドルは売られ、株を買う動きが強まった。

　さらに、原油の増産凍結に向けての会合が４月中旬にも開かれるとの報道を受け、原油の先物価格は大きく上昇。エネルギー関連株の買いにつながった。

　市場関係者は「イエレン議長が今後、利上げを慎重に進めると改めて強調したことが好感された」と話している。